食べ合わせ《ウナギ・梅干し》
教養番組があって、東大名誉教授の月尾さんがさまざまな分野に及ぶ豆知識を分かりやすく解説
してくれます。
今日は、日本の生活の中の梅、といったテーマで話していましたが、
ウナギと梅干しが食べ合わせだという科学的根拠について言及がありました。
一般には根拠のない俗説だとされていますが、あえて日本人が言い伝えてきた生活上の知恵として
意味をさぐるとすれば、つぎの事が言えるそうです。
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梅干しは胃酸を濃くする作用があるので、害があるよりむしろ、ウナギの脂肪分の消化を
助けるという効用がある。
では昔より、食べ合わせの代表のように言われてきたのは何故か?
1.梅干しは胃酸の働きをよくするから、ウナギの脂肪による胃もたれということがないので、
高価なウナギを食べ過ぎる。そこで経済的理由から、食欲にブレーキをかけるために
そのように言い習わしたのではないか。
たとえば姑が嫁にウナギをたべさせず、安い梅干しだけをたべさせる作戦とか。
2.真夏にウナギを食べて暑さに弱った身体に精をつけるという。
暑い時期だけにウナギも腐りやすい。
あやまって腐ったウナギを食べたとしても、すっぱい梅干しを一緒に食べると、
ウナギの異常な味に気づかない。そうすると食あたりを起こすことになる。
つまり、食中毒予防のために食べ合わせにしたのではないか。
ということですから、
ウナギと梅干しは一緒に食べても、すこしもかまわないということです。
ただし、化学薬品をたっぷり与えられた外国産養殖ウナギと、農薬がかかったままの梅
とを食べれば、本物の「食べ合わせ」になるかも。