「お客さん、鍋のほういかがですか」で逮捕
まもなく12月。
師走ともなれば宴会であり、鍋料理であり、客の呼び込み、客引きもお出ましの季節。
なかには執拗に追いすがる客引きもいる。
産経新聞が伝えているのは、そんな客引きが「逮捕」されたというニュース。
逮捕されたのは大学院2年のアルバイト男性(24)。
彼は西池袋の路上で、通行人の女性(36)ら4人に、
「お客さん、鍋のほういかがですか」などと話しかけ、約75メートルにわたってつきまとい、
客引き行為をした、として東京都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されたのである。
彼は近くの居酒屋のアルバイトをしており、客の入りが悪いと、路上で客引きをさせられ、つれてきた客
一人にたいして50円の報酬をもらっていたのだそうである。
その居酒屋の客引きは、周辺の商店会や通行人から、普段からしつこくて地域のイメージが悪くなる、と
の苦情が相次いでいたらしい。
おそらく、そうした苦情対処のために、所轄の警察が張り込みをしていたのだろう。
そうとも知らず、大学院生アルバイトは4人連れの通行人に、
4人で、50x4=200円の稼ぎ相手、とばかり、断られても、いやがられても、
前になり、横になりして歩きながら、
「お客さん、鍋のほういかがですか。今夜は寒くなって来たから、鍋が一番です。うちの店は
すぐそばで、旨くて安いと評判の店です。お客さん、お客さん、鍋のほういかがですか」
と200円のターゲットに、涙ぐましいアタックをしつづけた。
そして、75メートルまでやってきたところで、待ちかまえていた警官たちに、
「御用」となった。
居酒屋の客引きが、東京都迷惑防止条例違反の罪で逮捕されるのは、はじめてという。
もっかの不況の最中、学生のアルバイトもいい仕事ばかりは無い。
なんとかありついた仕事で、店主に命じられてやった客引きだ。
それで張り込んだ警察に現行犯逮捕とは。
とほほ、である。
アルバイトの大学院2年の君、
わくわく亭からの忠告であります。
75メートルは「執拗」と判断されるから、
次回からは70メートルであきらめなさい。