大島弓子(2)

イメージ 1


綿の国星』を読んだ。これは第一巻としてないから、もとはこれでお仕舞いの

つもりだったとみえる。

人気が高いので続編をつぎつぎに描くことになったのだろう。

白泉社の第二巻から「ペルシャ」まで読んだ。

さあ、一言で感想をいえば、思春期の女の子の内面をチビ猫の姿を借りて描いた、

少女マンガの傑作ということか。

小中学生から高校生までの女の子達を、夢中にさせたのは、彼女たちの

〈夢見るような〉心的世界が共感的に描かれていたからだろう。



白泉社の文庫版(4)も入手してきたが、そのキャッチコピーを引用しよう。


〈昭和53年より「ララ」に掲載された「綿の国星」は、曇りない瞳で人間社会を

見つめる主人公チビ猫の心の成長を独得の豊かな感覚で描いた珠玉の作品である。

発表されるや漫画界に大きな衝撃を与えたばかりでなく、大人が少女マンガを読み、

論じるきっかけとなる記念碑的作品となる〉

大島弓子さんがはじめて「綿の国星」を書き始めたのは彼女が31歳のときだった。

さいごの「椿の木の下で」までの発表年譜を浅田厚美さんのこしらえた年表から

抜粋してみよう。


1978年   綿の国星綿の国星ペルシャ

1979    綿の国星3シルクムーン・プチロード、綿の国星4カーニバルナイト

1980    綿の国星5~9

1981    綿の国星10~11

1982    綿の国星12~15

1983    綿の国星16~17

1984    綿の国星18~19

1985    綿の国星20ギャザー

1986~87 綿の国星21ねのくに、綿の国星22椿の木の下で

大島弓子さんの31歳から40歳まで、9年間をついやして描かれた作品だった。