「いなちゃんによろしく」
朝日新聞によれば、つぎのいきさつでこの新情報は入手できたということである。
2.中朝貿易をしている中国人男性から、調査会に、「松本さんとみられる女性が北朝鮮の
貿易会社にいる」という情報が寄せられた。
3.調査会は「松本さん本人であることを示す証拠を入手してほしい」と依頼した。
その女性の写真の入手などを依頼したもようである。
4.10月の中旬に、中国人男性は、その女性からある伝言を託されてきた。
それが、この短いひとことである。
いなちゃんによろしく
中国人男性が写真などの証拠を入手できたのかどうか、現段階では明らかにされていない。
これはなんらかの北側の意図的な情報工作であることもありうる、と慎重に検討されているもよう。
しかし、この情報が表にでたからには、貿易会社の中国人による情報ルートは、これで断たれる
ことになる。
松本京子さんらしき女性も、働いていた貿易会社から、どこかへ姿を消すことになってしまうだろう。
彼女はまわりから、つねに監視の目が注がれた環境のなかで生きているだろうから、
日本に伝えたい30数年間の山をなす思いがあっただろうに。
両親へつたえたい言葉は米子の海岸の砂の数ほどあったろうに。
自分が何者であるか、それを伝えるために、可能な限り短い言葉しか渡せなかった。
万感の思いが込められた、その「伝言」とは、
「いなちゃんによろしく」
なんという、痛ましさだろう。
わくわく亭は、これを書きながら…