世界恐慌はくるか?

イメージ 1

イメージ 2


上のイラストは大友克洋のマンガ『AKIRA』の一場面から。

なんだか、こわ~い画像でしょ。



アメリカのサブプライムローン破綻にはじまった金融収縮は、収縮に止まらず金融システム全体の

危機に拡大し、その恐怖の津波は欧州からロシアまで呑みこみつつある。

第二次世界大戦が終局して、それまでイギリスのポンドが担っていた世界の基軸通貨の役割を

アメリカのドルが取って代わることになった。ドルが世界経済における覇権をにぎったのだった。

そのドル覇権の世界体制が崩壊の危機に瀕している。



アルビン・トフラーが『第三の波』によって脱工業化社会の到来を宣言し、経済のソフト化が

経済学者によって叫ばれて、文明社会の未来は農工業生産の時代から、目に見えないソフトウエア

を創出する「知的価値」の時代につきすすんでおり、その先頭を疾駆しているのがアメリカの

ITと金融工学による富の創造だとされてきた。

しかし、気がついてみると、アメリカ社会は消費だけをする国家になり、ほとんど自らは「モノ」を作ら

ない歪な超大国になったいた。



アメリカのGDPの70%は国民の消費である。その消費する「モノ」は外国からの輸入であり、支払い

は24時間停止することなく高速印刷されるドル紙幣である。

いまや世界中に2京2000兆ドルのお金がだぶついて、幽鬼のごとく、取り憑きたい投資対象をもとめ

さまよっているとか。



ドル覇権大国であるから、どんなに過剰にドルが印刷されても、世界のどんな場所であれ、冷戦時代のソ

連圏であっても、ドルで買えないモノはなかった。

戦後60余年、いくどとなくアメリカの危ない経済運営に対して警告、警報は鳴らされてきたが、

そのつど、なんとか凌いできた。

だが、ついに終焉が訪れようとしている。



アメリカには6000万人ともいわれる困窮者があふれる貧困大国の現状がある。

それは国内にモノを作る産業がなくなったためなのだ。

豊かなアメリカ社会の象徴であった自動車産業はGMもフォードの倒産寸前のありさま。

石油は輸入に頼っているし、マクドナルドやウォルマートなど流通業はモノを売るだけ。

工業として残るのは軍需産業と航空機くらいのもの。あとは小麦とトウモロコシの農場があるだけ。

グーグルやマイクロソフトが成功しているからと言って、日本の電機メーカーほどの雇用もしない。

となれば、高度な数学とコンピューター技術で生みだした「金融派生商品」「負債の証券化

「負債の支払い保証化」という悪魔の金融投資で、バクチのような荒稼ぎをするしかなくなった。


アメリカの全産業の計上した利潤のうち、金融投資部門の利潤が40%を占めた。

もうアメリカはバクチで生きる国家になっていたのである。

その金融投資業が崩壊した。

となると、大変だ。

アメリカは全世界の貿易量の35%以上を占めている。

バクチで稼いだ金であれ、なんであれ、アメリカが破産してモノを買わなくなったら、世界経済は

成り立たない。

で、

世界経済危機となった。


しかし、このこわ~いストーリーは、来年の2009年が本番といわれている。

いま始まったばかりのこわ~い物語。

こころをしっかりと持って、襲い来る世界恐慌津波に備えねばならない。