戸田芳樹さん

7月15日の尾道サポーターの会では、戸田芳樹さんの面識を得ることができた。


戸田さんはランドスケープ・デザイナーです。それは、大きな風景、景観を表現する造園家です。

なにしろ、デザインの規模が壮大な「風景」なのだ。

2005年の「愛・地球博」ではランドスケープ・ディレクターをつとめている。

仕事の一例がこの「愛・地球博」の風景デザインである。

イメージ 1


戸田さんは黒川紀章が主催した「アーバンデザインコンサルタント」を経て、現在は戸田芳樹風景計画の

代表として国内外で精力的に風景デザインの仕事をしつつある。

もう一つ「山梨医科大学 中央広場」のデザインも紹介しよう。

イメージ 2




さて、なぜわくわく亭が戸田さんを「尾道ものがたり」でブログに取り上げたか。

理由は3つあります。

一つは、戸田さんがうれしいことに、すでに、わくわく亭の『尾道船場かいわい』の読者であったこと。

もう一つは、戸田さんが尾道の風景に、いまもって深い愛着をもちつつデザインをしているという

「ふしぎ」な話を聞いたからである。

つぎの写真は新潟県津南町の中央公園のランドスケープ・デザインである。

水流のデザインが戸田さんの記憶にある郷里尾道の風景にそっくりなのだ。(左下のモノクロが

尾道水道の写真)

「私の心に住み続けた故郷の風景が私の手を動かしたのだろうか」と語っている。

面白いと思う。そういわれてみると、「愛・地球博」「山梨医科大」の曲線までが、尾道水道

見えてくるから不思議。

イメージ 3


そして3つめの理由。

戸田さんは1947年に尾道で生まれたのだが、彼が6歳の年(1953)に小津安二郎の『東京物語

が制作されている。そして、その名画のロケ地として、戸田家の庭が使われたというのである。

家の庭から眺められる浄土寺の多宝塔(これ、国宝)の絵が、小津安二郎監督によって発見されたこと

で、幼い戸田さんの心に、「風景は発見されてこそ、意味をもつ」という観念が植え付けられた。

風景をデザインするという仕事をめざすとき、戸田さんにとって、家の庭から多宝塔を望む絵は、

「原風景」となったという。

小津監督の『東京物語』ファンであるわくわく亭が、この話を聞き捨てにできるはずがないのです。

では、戸田さんの庭で、浄土寺の多宝塔を背景として使った古い家族写真を、戸田さんから貰った

パンフレットから拝借してUPします。

イメージ 4