『橋づくし』(3)

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7つの橋をめぐって願掛けをしようとでかけた、4人の顔ぶれを紹介しておきましょう。


1)小弓(こゆみ) 銀座板甚道の芸者で42歳。150センチそこそこの背丈で小肥りで、
  いつもお座敷まえに夜食をたべる。
  白地に黒の秋草のちぢみの浴衣を着ている。

2)かな子  小弓とおなじ置屋の芸者で22歳。白地に藍色の観世水を染めたちぢみの浴衣を着る。

3)満佐子  新橋料亭「米井」の箱入り娘で22歳。かな子と仲がいい。早大芸術科に通っている。
  萩のちりめん浴衣を着ている。

4)みな   一月前に東北から働きにきた「米井」の女中で、大柄で色黒。
  ありあわせの浴衣地でこしらえたワンピースを着て、ひっかきまわしたようなパーマの髪をしてい   る。満佐子のお供についてくる。 

4人の約束ごとを確認しておきましょう。
願い事を叶えるためには、同じ道を2度通らずに7つの橋を渡ること。その間に、口をきいてはならないこと。

彼女たちは三つ叉の三吉橋の2辺を渡ることで、橋を2つ渡ったことに勘定する。

そして、無事に渡って、第3の橋へと向かいます。

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三吉橋の橋のたもとに、『橋づくし』の記念碑がありますが、そこに築地川に架かる7つの橋の絵図が銅板に彫刻されています。

それを見て、すべての橋の名を一覧しておきましょう。

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手前(銀座)から東の方角へ、隅田川に近い明石町へと下っていきます。
1番と2番目の橋  三吉橋(この三つ叉橋を2つと数える)
3番目  築地橋(つきじばし)
4番目  入船橋(いりふねばし)
5番目  暁橋(あかつきばし)
6番目  堺橋(さかいばし。または境橋)
7番目  備前橋(びぜんばし)