『橋づくし』(2)三吉橋
わくわく亭の仕事場は、京橋2丁目の、鍛冶橋通りと昭和通りが交差した室町信号の角にあります。
昭和通り沿いに南へ150メートル歩くと、銀座1丁目です。2つ目の信号を左に入りますと、
前方200メートルのところに見えるのが三吉橋(みよしばし)です。
昭和通り沿いに南へ150メートル歩くと、銀座1丁目です。2つ目の信号を左に入りますと、
前方200メートルのところに見えるのが三吉橋(みよしばし)です。
三島の文章を引用しましょう。
二枚目の写真に鈴蘭燈は写っています。しかし、月のために擾されている「川水」はいまはありません。
橋のたもとに三島の『橋づくし』を記念するための石碑が立っています。その碑のそばから現在の中央区役所ビルをカメラに収めました。
このビルは昭和44年に完成した新庁舎であり、三島が執筆のため現場踏査したときに見た「陰気なビル」とは違っています。旧庁舎は43年に解体されているのです。
三島が見た「陰気なビル」と、まだ川水があった築地川が写った写真をUPします。
たしかに、巨大な蝦蟇がうずくまったように、趣の欠けらもない、醜悪な建築であり、水郷「築地川」の情趣をぶちこわしにしています。それでも、まだ堀割に流水だけはありました。
いまは、コンクリートでこしらえた、車道が白々と醜体を陽にさらしているだけです。
日本は戦後の高度成長経済時代に国土を掘り返して「土建屋国家」になりさがりました。
経済効率という合理主義が、江戸から明治まではかろうじて保存してきた美しい日本の風土を、どれほど無惨に破壊してきたことか。
経済効率という合理主義が、江戸から明治まではかろうじて保存してきた美しい日本の風土を、どれほど無惨に破壊してきたことか。
かわりに建築、建造してきた「道路」のなんと無味乾燥で醜いことか。
日本橋の上を走っている高速道路が、その醜さの象徴です。ヨーロッパの首都で、その街を代表する橋の景観を、これほどまでに無視した道路建設をする「馬鹿な」文明国がありますか。
それも、東京オリンピックの誘致のためでした。
日本橋の上を走っている高速道路が、その醜さの象徴です。ヨーロッパの首都で、その街を代表する橋の景観を、これほどまでに無視した道路建設をする「馬鹿な」文明国がありますか。
それも、東京オリンピックの誘致のためでした。
いまのオリンピックのための建築ラッシュにまつわる,北京市内のゴタゴタを笑えるものではないのです。
さらにですよ、「必要な道路」として今後も10年間「道路特定財源」56兆円を費やして「醜い高速道路」を造り続けようと大合唱する政治家たちの顔は、この旧庁舎の「陰気な」醜さそのものではないでしょうか。