名門「VIKING」は健在ですね。

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舟生芳美さんからハガキが来ました。

『サンカンペンの壺』贈呈への礼状です。

舟生さんは小説「くぐってもいいですか」で第11回の「ナビール文学賞」を受賞した女流作家で、

神戸の同人誌「VIKING」の気鋭の同人です。

わくわく亭の「尾道船場かいわい」が同賞を受賞したのが第7回でした。

その2回前の第5回の受賞者が玄月(げんげつ)さんで、玄月さんは直後に芥川賞を受賞しています。

玄月さんの受賞で、関西の同人誌に発表した作品を対象にした「ナビール文学賞」の水準の高さが証明さ

れたと評判になったものでした。


ところで、「VIKING」は同人誌ながら月刊誌なのです。

昭和22年に富士正晴島尾敏雄さんらによって発刊され、庄野潤三久坂葉子高橋和巳、そして

津本陽といった作家を輩出してきました。

当時は、ナントカ文学新人賞の応募からではなくて、こうした同人誌から才能の発掘がなされていました。

舟生さんの「くぐってもいいですか」は芥川賞候補に挙がってもおかしくない力作ですが、

中央の出版界は新人賞応募作に注目するあまり、いまでは同人誌への目配りがおろそかになってしまいました。

残念な状況です。

それはさておいて、彼女からのハガキに『サンカンペンの壺』の感想が記されています。


ご本をありがとうございました。どれも力作ですが、改めて読ませて頂いて、「コンゴからのエアメー

ル」は読後さわやかになれました。「新橋裏道のリリー・マルレーン」は、2時間ぐらいの映画を観たあ

とのような気分になれました。少し泣きました…(後略)。


どうも、わくわく亭は自分の作品を読んだ人から「泣いた」と聞くと、それが女性であればなおのこと、

ご機嫌な気分になるのです。(軽薄のそしりは甘んじて受けます)

それで、この記事をUPしたというわけです。