資源大国ニッポン
わが家の(元ガレージだった)庭のすみに転がるモニターです。
なぜ、こんな写真を掲載したかって?
それは、日本が世界一の資源大国であるという話のイメージにと考えたからです。
毎日「こちらは使われなくなった電機製品の回収車です。映らなくなったテレビ、使わなくなったパソ
コン、古くなったエアコン、乗らなくなったオートバイ、ございましたら無料にて回収いたします…」と
放送しながら軽トラックが巡回してきます。
いつも、タイミングが合わなくて、呼び止めようと出てみたら、すでに通り過ぎている。というわけ
で、すでに半年も転がったままのモニターです。
さらに一台、大型のヤツがあって、これは画像が流れて止まらなくなったモニター。庭に出そうとして
腰でも痛めたら大変だと、家の中にそのまま居座っています。
これも回収して欲しい。
本の地中に「燃えないゴミ」として埋めてきたわけですが、いまやその「埋蔵量」が世界各国の全埋蔵量
に比べて、世界一になっているのだそうです。
それを名付けて「都市鉱山」と言うそうです。
9%、金の16%、スズの11%が日本の「都市鉱山」に埋蔵されているのです。
日本は天然資源の乏しい国という認識でおりましたから、「世界一の資源大国」といわれて、とまどい
を覚えるではありませんか。
しかし、資源の輸入大国であり続けてきたことはまぎれもない事実でした。資源を加工し、製品化し、
販売した電子機器が、廃棄され、地下に埋められて、その数量がいつのまにか、全世界の自然界に埋蔵さ
れている総量のトップになっていたということです。
くしてきたために、資源枯渇が叫ばれています。そのために、取引価格は2003年から、わずか3年後
の2006年には5倍に上昇しています。
のも、資源獲得競争の一環なのです。
われわれが捨てている電子機器の30%が主としてアジア諸国に「中古品」として輸出されます。実際
に修理して中古として販売される場合もありますが、多くは分解して、希少金属を取り出すために売買さ
れています。
インジウムは毒性があり、発ガン性があるというのに、庭先で酸に浸けたりして原始的な方法で分解し
ていますから、発病、環境汚染が心配されている現状があります。
数年まえ、あるSF作家が、東京の埋め立て地「夢の島」は100年後には、資源を発掘する「夢の
島」に再生するだろう、と半分ジョークとして書きましたが、ジョークどころではありません。
「資源大国ニッポン」は、資源の回収と再利用のシステムと、科学的に安全なリサイクル方法を研究開
発すべきでしょう。
いまに、家々を巡回してくる「こちらは無料回収車でございます」の放送がかわることでしょう。
「こちらは、○○都市鉱山(株)の広報車でございます。どちらよりも高い価格で買い取りいたしま
す。どうぞ、当社にお譲り下さい」
わくわく亭は、庭にころがったモニターを、そのときまで、置いておくべきなのか、どうか。