ブランデーの空きビンが売れる?

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お盆の供養に来てもらった、まだ若い寺の住職から聞いた話です。
 
 彼は僧侶たちの研修目的で、中国各地の古刹をめぐる団体旅行から帰ったばかりだった。

 北京の天安門広場の近くにバスをとめて、付近を歩いていたところ、まるで廃墟かとおもうほど古い
住宅地の側を通ったそうです。
 家家には電気もなければ、水道、ガスもない。軒下には何百という数の人が屋外にまであふれて、道ばたに寝ている。

「この人たちは、何なのですか」と案内の中国人に聞くと、
「このあたりは、仕事にあぶれた労働者が、たむろしている場所で、あまり写真など撮らない方がいいですよ」といわれたそうです。

 ふだん、天安門広場がテレビなどに写るときには、そんな貧民窟のような場所は映ることがないので、
びっくりしたと、住職は話した。

 さらに、
「北京のような大都市をはなれて、地方に残る古い寺院をたずねる途中、唐とか宋とかいう古い時代の住居かとおもうほど、貧窮の極みといったひどい家に暮らしている民衆を見て、ショックでした。上海のマンションや高級デパートで見る豊かな市民との、とてつもない格差を感じました」

 いま中国は北京オリンピックの準備に建設ラッシュだそうだ。地方から出稼ぎにきた農民たちを
農民工」と呼ぶのだそうだが、その数、2億人だということ。日本の全人口が約1.3億人なのだから、とてつもない数だ。
 住職が天安門広場の近くで見かけた人たちも、そうした「農民工」ではないか。

 新聞によれば、北京の農民工たちは毎朝6時から働いて、夕方7時半まで働くそうで、まったく休みは
ない。それで一ヶ月の収入が14,400円。それでも仕事のある人はまだましで、仕事がない農民工
無数にいる。なにしろ、2億人の農民工が職をもとめて、ひしめきあっているのだから。

 勝ち組は、建設現場ちかくにあるナイトクラブに、夜な夜な高級車で列をなしておとずれる。

 そこでは、洋酒が一本16,000円だそうだ。
 最高級のブランデーともなると一本が480,000円もする。

 常連さんは共産党、政府、軍、警察の黒塗りの公用車でやってくるのだと、新聞は書いている。


 格差は日本でも問題になっているが、その程度たるや、比較にならないね。

 中国ではすでに、人口の20%が国の富の80%を占めており、富裕層と貧困層がまるで鉄亜鈴
の両端の形をなし、中間層がきわめて少ないいびつな社会構造になっているので、社会的な不安が
高まっている、と中国社会研究所の先生はおっしゃる。

 ところで、上に紹介した最高級ブランデーの空きビンのことです。

 空きビンは一本32,000円で売れるのだそうだ。

 ビンを買った業者は、ニセのブランデーを入れて、それを本物として売るインチキ商売をしているらしいのだ。

 わくわく亭の家にも、海外旅行のおみやげに、どこかからもらった洋酒の空きビンは何本かある。

 練馬区では、燃えないゴミか資源ゴミにしかならないだろう。これって、一本いくらくらいで、中国に売れるのだろうか。

 今度、寺の住職がきたら相談してみようかな。