サラ金は海を渡るか

 日本のサラ金消費者金融)業界は業界再編を余儀なくされてきた。

 そういえば、派手なテレビコマーシャルが姿を消して、たまに見るのは大手銀行系列のサラ金のCM
ばかりである。

 大手銀行が資金供給元の強みを発揮してサラ金会社を傘下にとりこんできたことと、利息制限法と出資法の上限金利のあいだにあった、いわゆるグレーゾーン金利であくどく稼いできた業界が、法改正によって利息制限法の上限金利に統一されたために、再編しなければ商売がやっていけなくなった内部事情とによるものらしい。

 苦しくなった日本のサラ金業界はどうするか。

 かれらの目は海外に向けられているそうだ。海外とは、すなわち韓国の貸金マーケットである。

 なぜ、かれらは海を渡ろうとするのか。

 韓国では貸金業はすべて違法とされてきたのだが、当然「地下経済」としては横行していたわけで、悪質な業者から国民を護るために、02年に法整備して、業者を登録制にし、上限金利を定めた。

 その上限金利が、なんと年利66%という、びっくりするほどの高利なのだ。

 日本で商売がやりにくくなっていたサラ金業者が66%に飛びついたわけだ。

 日本で8~10%の金利で資金調達して、韓国ウォンで高金利で貸し付ける。
 たちまち、韓国の貸金業のシェア40%以上が日系企業になったそうだ。(とはいっても、大手はまだ直接進出していない。)
 日本でやっていたようにテレビで派手なCMを流し、地下鉄やバスの車内広告を打っている。
 
 その様子を注目しているのが、大手の業者で、進出の機をうかがっている。

 ちょっと待ってくれよ!!

 その先に何が起きるか、日本でいやというほど見てきたではないか。

 1.無理な貸し付け競争をして、多くの多重債務者を産んだではないか。
 2.きびしい取り立てをやって、社会不安にまでなった。
 3.あげくのはてに、おびただしい自己破産、そして自殺者をだす最悪の結果。

 日本のサラ金業者が、そんな事態を引きおこすなら、韓国人の対日感情はさらに悪化することだろう。

 韓国の統計によれば、貸金業者の登録数は04年に、いきなり1000を超え、06年には1700にのぼっており、それに比例して、個人の破産者数は00年の329人から、04年に8万人、06年には12万人を突破したのである。このまますすめば、ぞっとするような結果が待ちかまえているだろう。

 大手サラ金の韓国進出はつつしんでもらいた、と僕は思うのだ。
 
 サラ金のビジネスモデルは国内で多くの悲惨を産みだしたではないか。それを韓国で再現してほしくない。日本がサラ金地獄を韓国に輸出したと避難されるだろう。

 いまさら、わくわく亭がブログに書くことでもないのだが、韓国人の対日感情の悪さは、50年や100年では払拭しきれないほどに根深い。
 韓国政府が日本の歌や映画やテレビ番組などの大衆文化に門戸を開いたのは、まだほんの数年まえではなかったか。それほどまでに、日本的なものへの警戒心は強い。
 
 そこへもってきて、サラ金業界が、どっと雪崩れ込んだらどうなるか?

 サラ金業界よ、韓国へ渡るのは自粛したまえ。