ハリー・ポッターを47分で読む

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 「ハリーポッター」完結編を47分1秒で読んだ速読家が、本の発売日にあわせて、当日の新聞朝刊に書評を掲載したという。

 47分と1秒だという、1秒がなんともユニークだ。ストップ・ウォッチで計時したのだろうが、いかにもジョーク好きの英国らしい。

 イギリスのタブロイド紙「サン」(いつも王室やらベッカムのスキャンダルを書いて、物議をかもす大衆紙)がやってのけた。
 
 ロンドン発のロイターの記事によると、「サン」は速読のチャンピオンを雇って、600ページもある
発売されたばかりの「ハリー・ポッター」完結編を47分と1秒で読ませると、その日の朝刊に書評を掲載した。
 なんという速読だろうか。はたして、立派な書評だったかどうか、それは伝えられていないがね。

 「サン」ばかりじゃない。イギリスを代表する新聞「タイムズ」にも同日書評が掲載されたそうだ。
 専門の書評家が書いたもので内容は、申し分なさそうだが、いったいいつの時点で本を入手して読んだのか、それは報じられていない。
 その点では、発売後に入手して47分1秒で速読させたらしい「サン」のほうが正直みたいだ。

 「ハリ・ポッター」にまつわる数々の狂騒は21世紀の歴史に残るとおもうが、おなじロイターが興味あるレポートをつづけている。

 イギリスの大手スーパーマーケットの書籍部が50万部用意して、発売後36時間で完売したという
ニュース。
 
 一日半で50万部という驚異的な販売部数に瞠目するのは当然のことだが、わくわく亭が注目したのは
値段のところだ。

 日本では書籍の値段は定価がつけられていて、日本国中どこで買っても値段は同じになっている。(再販制度というものである)
 
 イギリスでは、書籍には定価がなく、希望小売価格がつくだけで、書店が勝手に売値をつけてもかまわない。(日本の家電ショップの値段みたいなもの)
 
 そこで、出版社が希望小売価格18.99ポンドとつけている「ハリーポッター完結編」を、そのスーパーでは5ポンドで販売した。
 その超低価格が36時間で50万部完売した理由だろう。

 それにしても、希望小売価格の26%の安売りだ。それでもスーパーは適正利益をあげただろう。

 大量仕入れで大量販売だから、それが実現できたのだろうが、一体全体出版社の原価はいくらなのだろうか。
 18.99ポンドで買った少年の愛読者と、5ポンドで買った少女の愛読者のあいだの不公平感は
どうなるのだろう。

 スーパーでは本も、特売の牛肉や菓子と、どうやら同じ商法の対象らしい。

 ついでのことに、いま日本円は対ポンドで大幅な円安レートだ。
 1ポンドが約250円。
 そうすると、18.99ポンドはおよす4500円だから、安くない。5ポンドだと1250円。
 しかし、現地のイギリス人の感覚では1ポンドは100円というところだそうで、
そうすると18.99ポンドは約1900円で、5ポンドなら500円。

 600ページの「ハリーポッター完結編」が500円としたら、小学生でも中学生でもポケットマネーで買えちゃう。悪いことじゃないね。

 5ポンドで買ってきて、日本で売るすばしっこい商売上手もきっと出てくるだろう。

 ところで、わくわく亭はまだハリーポッターを読んだことがない。映画も第1部をテレビで見ただけという、朴念仁。
 
 ハリーポッター本について語る資格はないか?