だから、さおだけ屋は潰れない

 『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』という本は156万冊以上も売れたベストセラーだそうです。

 わくわく亭は本を買ってもいないし、読んでもいないので、その本について何かいう資格はないでしょう。
 ただ、新聞の広告を眺めながら、なるほど、近頃のベストセラーは、まずタイトルが売れるか売れないかの7,80%の要因になるものらしい、とその本の意表をつくタイトルに感心したものです。

 会計事務所の経営者が書いたものだから、本の内容は、資本の回転率、キャッシュ・フロー、在庫などの最新の経営指標について、わかりやすい実例をひきながら書いた啓蒙書なのだろう、と勝手に推測しています。

 ところが、ですぞ!!

 このところ新聞紙面を賑わせている事件のひとつが、「さおだけトラブル急増」(朝日新聞)なのです。

 「2本で千円。20年前の値段で販売しています」という拡声器の呼び声を流しながら、車で移動販売している「さおだけ屋」さんです。

 呼び止めたところが、高額商品を売りつけられた、というトラブルが多発しているという記事です。

 ある60代の主婦は呼び止めて注文したところ、2本で1000円どころか、1本1万5800円を請求された。
 値段が違うというと、「さおの長さを調節して切った」といわれ仕方なく払った。あとで、クーリング・オフをしたいと思ったが、返金を求めようにも領収書には連絡先が書いてない、といったケース。
 
 国民生活センターのまとめでは、購入金額の平均が6万5千円にのぼるそうだ。さおだけだけではなくて、高額の網戸や物干し台などを売りつけられているらしい。
 相談件数は06年度には639件で01年度の2・2倍に急増。60歳以上が70%を占める。

 「2本で千円。20年前の値段で販売しています」にひかれて呼び込むと、60歳以上の高齢者とみれば、高い商品を売りつけたり、高い請求をする悪質業者が増えているということだ。
 移動販売だけに、あとで連絡しようにも連絡の方法がなく、泣き寝入りするケースがほとんど。

 「価格は注文する前に十分確認すること。不要な場合は、きっぱり断ること」と国民生活センターは呼びかけているらしい。

 高齢者とみれば、不要な家のリフォームの契約をさせて、不当な請求をする業者。白アリ駆除、ねずみ駆除といって高額請求をする業者。手を替え品を替えして、かれらは高齢者の貯金と年金をねらって、やってくるのです。

 「さおだけ屋がなぜ潰れないのか」
 
 さて、その答えは、

 1.それは、詐欺まがいな不当な手口で、高額商品を売って、大もうけしているからです。
 
 2.クレームしようにも、車で行ってしまえば、もう業者をつかまえることが不可能だからです。

 こうなると、ベストセラー本『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』は、まことにいいタイミングで発売したことになります。
 いまなら、その本のタイトルは皮肉か、ブラックユーモアのつもりとしか考えられないでしょう。

 いまなら、『さおだけ屋はなぜ捕まらないのか』ということになったでしょうね。(笑)