のむ・うつ・かう

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 最近会社ではやるもの、として、ニュー・ヴァージョンの「のむ・うつ・かう」があるそうだ。

 かつて「のむ・うつ・かう」といえば、しょうがない男の代表的な放蕩とされるもので、 

  飲む → 大酒を飲むこと
  
  打つ → 博打(ばくち)を打つこと

  買う → 遊女、芸者など女を買うこと、だった。

 
 最近の会社で流行る「のむ・うつ・かう」とは、

  のむ → 胃薬をのむ、あるいは、胃カメラをのむ。

  うつ → 鬱、鬱病

  かう → 買うのは宝くじ

 ストレスで胃や腸がいたんで、みんな食前食後に薬をのんでいる。テレビでも「飲む前にのむ、飲んだらのむ」と、ひっきりなしに宣伝している。若者たちは神経性の腹痛や下痢に悩まされて、通勤途中でもすぐのむために「すぐきく」薬を常備するらしい。
 
 健康診断といえば、やたらと胃カメラをのませる。胃カメラをのんで、苦痛のあまり、あばれて、胃壁に穴があいた不幸な人だっている。やたらに胃カメラなんかのませていいのだろうか。
 わくわく亭が健康診断で胃の検査を回避することにした理由は、2回に1度は「精密検査を要する」といわれて胃カメラをのまされるからだ。おまけに、よけいな苦痛と料金を要求されるのだから,もってのほか。
 
 ストレスがつづくと鬱になる。鬱は年齢に関係なくくるものらしい。青少年も医者に抗うつ剤を処方されている。ウツで会社を辞める若い女性がいれば、会社の部課長で、ウツの患者は少なくない。
 ストレスばかりか、男女を問わず更年期のウツは程度の差こそあれ、多くの人が体験するし、老人性鬱病は加齢にともなっておとずれるものという。こうなると、われわれは、ウツから逃れる道はないのだろうか。
 たしかに、若い頃はなにをしたって楽しかったし、やたら笑ったものだ。だんだん楽しいことはなくなって、笑い転げることはない。そんなことやってたら、あいつ近頃おかしくなったといわれるだろうし、徐々にウツへと向かうか。

 ストレスや鬱から逃れる方法として宝くじを買うのだそうだが、そうとすると、現代の会社員って、あまりにさびしいではないか。

 もっと希望のある「のむ・うつ・かう」が流行ってくれないものか。