『ビリヤードわくわく亭』の宣伝

 


 ブログプロフィールの画像を更えてみました。(衣更え、という気分)

 ついでに本の宣伝をしておきます。

 4つの小説を収めています。

        ビリヤードわくわく亭    62ページ
        秋の手紙           47
        市ヶ谷左内坂        64
        音がはずれてるよ     29

 本のタイトルにしたのが「ビリヤードわくわく亭」です。
 
 雑誌に発表したときに、芥川賞作家である高城修三(たきしゅうぞう)さんが朝日新聞の「詞華の森」の欄でとりあげてくれました。
 
 その書評を拝借して、作品の紹介とさせていただきます。

 《急速に変貌し拡散していく現代の風俗や人間を、特定の主人公や視点に頼って描き出すのは、難しくなってしまったのかもしれない。
 むしろ、時や場を限定し、そこに多様な人物や視点を重ね合わせる手法が効果的なようである。
 「ビリヤードわくわく亭」は、東京の西武線大泉学園駅近くのビリヤードに集う人たちをスケッチした
掌編小説集のかたちをとっている。
 いずれの登場人物たちも、それが生きる証しであるかのように、ささやかな奇癖をもっている。
 作者はそこに優しいまなざしを注ぎながら、悲しき中年の生態、都会の孤独、ほろ苦い男女の恋などを描き、その視点の重なりの中から人間のやるせなさをあぶりだしている》

 ビリヤードわくわく亭はどこにあるか。小説のはじめから引用します。

 《場所は東京練馬区西武線大泉学園駅から歩いて5分ばかり、東映撮影所の近くである。
 いまでは西武系ショッピングセンター〈りヴィン〉のそばといった方が通りがいい。
 ポケット4台のこじんまりした店だ。
  オープン当初は撮影所の従業員をあてこんだもので、ときには映画監督や俳優も顔をみせた。
 しかし映画人気にかげりが出てくるとともに、客すじは地元の常連さんばかりになった…》

 というわけで、僕わくわく亭の地元、大泉学園が舞台になっている。

 ついでに、冒頭の文章も、

 《ビリヤード店にしては古風な名前である。オープンして25,6年というから、昭和50年代の
 はじめの頃だ。わざと古風な名をつけて当初は〈惑々亭〉と漢字表記していたものを、いつからか
 〈わくわく〉とひらかなに変えた》

 そして、

 《これはビリヤード〈わくわく亭〉で見たり聞いたりした人物たちを、粗いタッチで走り画きした
 スケッチブックである。
  その一枚目は桜井さんの素描である…》

 と物語は、はじまる。

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