赤と緑の区別

霊長類以外の哺乳類、たとえば犬や猫は赤色と緑色の区別ができないのだそうだ。

そのかわりに明暗の感度が高い目を持っている。

生物学者福岡伸一先生が毎週朝日新聞に掲載する「動的平衡」の記事で勉強した。

赤と緑はきわめて近い色だという。

「緑のもとになっている葉緑素と、赤のもとになっている血の色素のヘムは、化学構造でみると

そっくり。いずれも四つ葉のクローバーのような形をしており、中心にはまっている金属

イオンがマグネシウムか鉄かという点が違う。だから物理学的にいうと、葉っぱから反射

される光と血から反射される光は互いに極めて似た光になる。」

それで分かったことがある。

色盲の検査で、赤と緑の色弱の人は、赤と緑の点で構成される文字や図形が正確に読み取れなくなる

のは、緑と赤の光が似ているために、光の区別ができないのだ。母親から遺伝子として受け継ぐ

形質なのだ。

わくわく亭は色弱である。そのために大学卒業後の就職試験で、色盲検査でたびたび落とされて

苦い経験をしている。さいごは色盲検査の無い就職先をさがしたものだ。

社会生活で不便を感じたことはないのだが、わくわく亭の眼は赤と緑色については犬や猫

とお仲間ということになる。

どうりで薄暗がりで本を読んでいると、

「そんな暗いところで、よく本が読めますね。眼を悪くしますよ」と女房にいわれる。

犬や猫のお仲間で、明暗の感度がすぐれた眼のおかげなのだろう。