この美青年はだれだ?

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先日大阪の兄のもとから古い雑誌を数冊もらってきた。

雑誌は『劇と映画』『芝居とキネマ』『演藝画報』などで大正13年から昭和12年までに

発行された古いものばかり。

『劇と映画』は昭和3年1月発行の2月号である。

表の表紙は豊原国周が描いた役者絵。豊原国周は幕末から明治にかけての浮世絵師。

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裏表紙は女優のガートルード・オルムステッドの写真。

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雑誌のページ半分が歌舞伎を主とした演劇情報で、半分が映画情報という編集になっている。

丁度真ん中のあたりのページに美青年というか美少年と言ってもいい若者の小粋な写真がある。

誰だろう?名前を見ると「マキノ正博」である。

「日本映画の父」とされる牧野省三の長男がマキノ正博(雅弘、雅裕、雅広とも名乗る)。

若干18歳で映画監督デビューをする。昭和3年に『蹴合鶏』『浪人街』シリーズを撮っているから

その早熟な才能は牧野省三の遺伝子によるものだろう。

彼の姉のマキノ智子と俳優沢村国太郎との間に生まれたのが長門裕之津川雅彦の兄弟。

この写真は雑誌が昭和3年1月発行なのだから、昭和2年に撮ったものと思われる。

すると満で19歳と何ヶ月の頃ということになる。

なんという美少年だろう。