「二月の岬」Bさんの感想

尾道物語・旅愁篇』に寄せていただいたBさん(男性)からの感想。

その中から「二月の岬」につての感想をご披露します。

20歳とは,私の場合、挫折、焦燥の繰り返しで不安定な自己に悩まされていた年齢です。

小説の中の、旅する父親の場合、大人になるための踏み台の旅だったのですね。

旅先で出遭った、それぞれの女性たちが個性的で面白いです。

最後の夜、道後の宿で初めて娼婦と遊ぶ。

いいおんなを相手にされて,主人公は幸せです。

初めての、うぶな心の揺れ、二人のこころの昂ぶり、みずみずしい描写、思わず引き込まれて

しまいました。

青春の純粋な感動が伝わってまいります。

水上勉原作、内田吐夢監督の名作「飢餓海峡」の一シーン、三国連太郎と娼婦役の左幸子

との長いワン・カットのからみを思い出しました。