中国新聞電子版

中国新聞電子版を転載させてもらいます。


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 尾道市久山田町の尾道市立大で、尾道ゆかりの人を招いて街の歴史や文化などを学ぶ教養科目「尾道学入門」があった。会社会長で小説家の森岡久元さん(71)=東京都練馬区=が教壇に立ち、約200人が聞き入った。  森岡さんは4歳から18歳まで尾道で過ごし「尾道船場かいわい」「尾道物語・純情篇」「尾道物語・幻想篇」の尾道3部作を書き上げた。講義は「私の書いた尾道」の題。小説に登場する場所が今も実在することや奇祭ベッチャー祭りなど幼少時代の経験が構想に役立ったことなどを朗読を交えて話した。  55歳で本格的な執筆活動に入ったことに触れ「若いころの書き物は未熟だが、人生経験が豊富になるほど書く能力、技術力が高まる」と力説。文豪ゲーテ谷崎潤一郎夏目漱石たちが晩年に代表作を発表したことを紹介し「人生は20、30歳代が最高傑作ではない。いつまでも最高を目指す気持ちを持ち続けることが大事だ」と締めくくった。 【写真説明】自著を読みながら、尾道への思いを語る森岡さん