少子化とこたつ生産量の因果関係
雑誌「AERA」がこんなグラフを掲げて、「こたつ復活で少子化対策」という記事を
書いている。
1975年に電気こたつの生産量は800万台あって、普及率は90%超えていたが、
2003年にはゼロに近い。国内で販売される電気こたつは、ほぼ全量が輸入品になった。
わが家のこたつも、たしかマレーシアかインドネシア産だった。
住宅の各室にエアコンがつくようになったために、居間のやぐらこたつに家族全員がはいって、
テレビを見ながら食事をするなんて風景がなくなった。
こたつに足をいれて鍋料理を食べながら、テレビでプロレスや時代劇を見て、にぎやかだった
家族風景は見られなくなった。
いまでは、エアコンで暖房した部屋で、夫婦と子どもの3人で食事するのが平均的な
風景になった。
福島原発事故後の節電対策で、この冬は久しぶりに電気こたつが売れたらしい。
それを「AERA」はもてはやして、こたつの中でXXがあったりすれば、
少子化対策になるかも、と面白おかしく記事にして、一茶の発句を添えている。
「思ふ人のそばへ割り込む炬燵かな」
わくわく亭のブログ書庫には「江戸小咄ベスト100」がある。
そこには似たような艶笑小咄の傑作を収めてある。
いま思いついた即席の小咄。
高校生の彼が同級生の彼女の家に遊びに行くと、その家にはやぐらこたつがあって、
テレビを見ながら家族で夕飯を食べている。親子3人家族の彼にとっては、
まるで「三丁目の夕日」の世界で、めずらしい。
すすめられて、コタツに入ると、正面に座った彼女が足をのばしてきて、
彼の膝をくすぐる。彼は布団の下に手をさしいれて、相手の手をにぎる。
彼女がウインクする。
おばあちゃんが、彼にミカンを食べろという。孫娘の彼女に、
彼にチョコレートをもってきておやり、といいつける。
彼女が起ってこたつを出て行く。
では、この握っている手は誰の手なんだ。
おばあちゃんが、ニヤッとしながら、彼にささやく。
「あなたも、ものずきね」