こだまでしょうか

東日本大震災が起きて、テレビのCMが自粛したために、ACジャパン(旧公共広告機構)の

PRばかりになった。

その中で、評判になったのが、童謡詩人・金子みすゞの作品「こだまでしょうか」を

使って流された子供たちの動画だった。

わくわく亭も、最後のベンチに腰掛けた少女が見せる表情が好きだった。

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『こだまでしょうか』

「遊ぼう」っていうと
「遊ぼう」っていう。

「馬鹿」っていうと
「馬鹿」っていう。

「もう遊ばない」っていうと
「遊ばない」っていう。

そうして、あとで
さみしくなって、

「ごめんね」っていうと
「ごめんね」っていう。

こだまでしょうか、
いいえ、誰でも。


週刊誌が、福島原発事故に対する東京電力や枝野官房長官の記者会見における発言が、

こだまのように「安全」や「安心」をオウム返ししているとパロディにした見出しを

つけている。

わくわく亭も、そんなパロディ風のブログを書く気でいたところ、

今朝の朝日新聞の投稿欄で、北九州市の佐々木紅児さんという43歳の人が、おもしろい

東電批判の投稿をしていたので、かわりにこれを紹介することにした。


「大丈夫?」って聞くと、
「大丈夫」って言う。

「安心していい?」って聞くと、
「安心していい」と言う。

それでも不安になって
「安全なの?」って聞くと、
「安全だ」と答える。

聞き間違いでしょうか。
いいえ、昔から。



事故後に、東電の原発がいかに多くの欠陥を指摘されていながら無視してきたか、

また数々の損傷や小規模な事故を起こしながら隠蔽してきたかが,明らかにされつつあるが、

そうした隠蔽体質を、佐々木さんは、ACジャパンの別な広告のパロディにしている。



「心」は見えないけれど、
「下心」は見える。

「思い」は見えないけれど、
「思い上がり」は誰にでも見える。



もはや、原子力発電を東電という一民間企業に任せることはできない。

それを管理している経済産業省とそのご用機関である原子力安全・保安院という

「お上」は無責任な官僚機構で、無能、無力が天下に明らかになった。


原子力安全・保安院経済産業省から分離させて、独立した強力な権限を持つ、

監視機関に改造すべきだろう。

政・官・業が結託した原子力事業は、危機管理、安全管理より、事業推進と合理的経済性が

優先してしまうから、とてつもなく危険なものだと,国民は思い知った。