耐震補強工事
今朝は寒かった。
家屋の耐震補強工事のための精密診断をするのである。
一階の居間の畳を一畳あげて、床下から基礎工事の状況をカメラで撮影する。
台所でも、床下をのぞき込んで撮影。
各部屋の柱と梁、壁の面積などを測量する。耐震強度の構造計算をするため。
つぎは二階で、和室の畳を一畳あげて、床板の一部を切断し、天井裏を撮影する。
こうした資料から、わが家の耐震性を東京練馬区が目標とする最低の水準まで
高くするためにかかる補強工事費を計算してくれる。
補強設計というのであるが、その書類を練馬区に提出すると、
設計にかかる費用、およそ63万のうち、30万を練馬区が助成してくれる。
補強工事費はおよそ300万くらいになるらしいが、そのうちの130万が助成して
もらえる。
この助成制度は、1981年5月以前に建築した住宅が対象になる。
それ以後の建築であれば、「新耐震基準」にのっとって建てられているそうで、わが家の場合は、
それ以前の1979年の建築で、「新基準」に適合していないから、
耐震補強が必要なのである。
この助成の話は、練馬区からの広報で知って、10月に予約をして耐震補強相談に行ったのである。
首都圏での大震災が、いつあってもおかしくないといわれているのだから、こうした機会に
古い住宅の耐震強度を、ある水準まで高くする工事をしておくべきだと判断している。
工事助成が受けられると決定して、工事が完了するのは、来年の6月ということだ。
スケジュールを逆算してもらって、年内の精密診断となった。
では、補強工事をして、どのくらいの耐震性が得られるのだろうか。
なにしろ、築30年の木造住宅である。あちこちガタもきている。
地震といっても、震度の大小がある。
建物が被害を被らないですむはずはない。
設計事務所の責任者の話では、この補強工事をすることで、壁の総面積が大きくなることで、
二階の重量で、一階をぺしゃんこに押しつぶしてしまうような被害は防止できる、という。
二階が落ちたとしても、一階の人間が押しつぶされるという最悪の被災は避けられる。
つまり、命だけは助かる、というのが耐震補強の「基準」のようだ。
われわれ住民にとっては、その「基準」こそが肝心カナメである。
それだけでも「関東大震災」を知る東京都民は、補強工事を必要と考えるだろう。
台所の床下をのぞいた時のことである。
2~3年前、ネズミが多くて困ったとき、床下にも粘着シートを仕掛けておいて、そのまま
のぞく機会もなかったのだが、
大工さんが、
「おや、白骨化したのがいるね」という。
もうミイラ化を通り越して白骨になったネズミである。
三枚の粘着シートのうち2枚に、それぞれ1匹ずつ、小さな骸骨が張りついていた。
そういえば、天井裏ではゴトゴトいわせているが、台所には現れなくなったのは、これら骸骨に
警戒してのことかもしれないぞ。
わくわく亭は、設計事務所のみんなが立ち去ったあとで、台所の床下に、あたらしい粘着シートを
2枚広げておいた。
もちろん、古いのは、ゴミの袋にいれて、年末最後の「燃えるゴミ」として出す。
やれやれ、古い木造住宅では、マンションの住民ならしないくてもいいことを、いろいろ
させられるのです。、