「この空恐ろしいまでの現実」について
雑誌「SAPIO]3月31日号は
「この空恐ろしいまでの現実を直視せよ!
年々歳々日本人は信じられないほどバカになっている」という特集を組んでいる。
小学生から大学生まで、学力、常識が年々落ちている現状を特集したもので、
目新しい内容でもないが、(もうこの種のレポートには慣れて驚かなくなっているが)
それでも、どのくらいひどいのか、とつい買って読むのだから、
雑誌の企画にまんまとハメられているのです。
「恐いもの見たさ」というやつです。
◆国立教育政策研究所が小学4年から中学3年まで3万7000人を対象に調査し、
2006年に発表した調査結果によると、
「3+2×4」の計算で、小6の40%が不正解。
掛け算を先に計算して、つぎに足し算をするという基本を理解していないのだとか。
漢字について、小4で、「子孫」(しそん)を「こまご」と読むなど、正答率は20%
以下だったというショッキングな結果となったそうだ。
それは国語教科書を開いてみれば、理由がわかる。
小学6年の教科書に出てくる表記が、たとえば、
「世界じゅう」「十二さい」「山おく」「かき上げた」「赤んぼう」「つかれ切った」
これくらいの表記は「世界中」「十二歳」「山奥」「書き上げた」「赤ん坊」「疲れ切った」
と漢字で読ませればいいだろう、と思うが、どうだろう。
これでは、上の調査が20%以下の正答率になるのも分かる。
「今の教科書は子供に迎合し、わかりやすく、易しい文章ばかり載せていますが、そんなもの
いくら読ませても読解力はつきません」(国語作文教育研究所所長宮川氏)
つぎに算数の教科書。
「定価800円の色エンピツが15%びきで売られています。この色エンピツの値段はいくらですか」
という問題があり、横に小さな「電卓マーク」がついている。
小学6年の教科書。電卓をつかって計算していいことになっている。
1992年度の学習指導要領から、小数第2位以下がある計算は行わなくなり、
電卓の使用を認めている、のだという。
どんどん計算力は落ちているのだそうだ。
◆本=マンガ
そのマンガも活字があるから、かったるくて読まない、のだそうだ。
『読書週間』の調査で、2009年5月1ヶ月の平均読書冊数を調べたところ、
小学生8・6冊、中学生3・7冊、高校生1・7冊という結果だった。
年齢が上がるに従って読書量は低下する。
20代の若者を、路上で調査したところ20人が全員0冊だった。
本といってもマンガ本が多い。
博報堂の調査で、7年かけて1000人以上の若者のインタビューをしてきた
『近ごろの若者はなぜダメなのか』という本があるそうで、その著者原田さんによると、
「ある女子高生は、本が読めないというんです。彼らにとって本とはマンガのことですが、
活字があるから集中しなくちゃいけない。体力と忍耐力がいるからかったるい。
マンガすら読む気力がない」
どうなるんだ。
マンガを読むのに「体力と忍耐力がいるから、読めない」とは。
こうした状況はアメリカの若者とも共通している。
『若者はホントにバカか』という本の著者バウアーライン氏は言う。
「アメリカの若者たちにしてみれば、今ほど生活が楽で、モノが豊かで、学校や大学に
行きやすくて、気晴らしが簡単にできて、自由がふんだんに享受できる時代はなかった。
その反面で浅はかな時代が到来してしまった。
知識や技能を完璧に習得しようとする知的習慣も衰えつつある」
◆つぎの擬声語や擬態語を使って短文を作りなさい(どこかのテスト答案から)
問題
①すくすく
①すくすく
②ぱっと
③ぐっと
解答
①僕は毎日おなかがすくすく
①僕は毎日おなかがすくすく
②あいつぜったいぱっといれてるぞ
③まあまあ、ぐっといきましょう。ところで例の話ですが