いつも一人で赤トンボ(2)

「いつも一人で赤トンボ」の記事を書いてから、東京都にどれくらいの数の一人暮らしの

高齢者がいるのか知りたくて、東京都の調査をさがしてみた。

東京都による平成17~37年までの世帯動向の推定調査資料があった。


それによると、

今年の平成22年(2010年)における推定数は次の通りである。

   東京都の世帯総数(A)        612万世帯

   世帯主が65歳以上の高齢世帯(B)  168万世帯(総数Aの27.4%である)

   (B)のうち独居世帯(C)         63万世帯(63万人ということである)

   (C)のうち75歳以上の独居世帯(D)   33万世帯(33万人ということである)


平成22年の今年、東京都には一人暮らしをしている高齢者が65歳以上では63万人、

そのうちで75歳以上の独居老人が33万人いると推定されるのである。

今後ますます高齢化がすすむ。

15年後の平成37年の推定では、

   65歳以上の独居世帯(C)は63万から87万に38%増加する。さらに、

   75歳以上に独居世帯(D)は33万から57万に73%増加する。


こうした独居高齢者たちの多くは、平均寿命からして女性が多いのである。

女性が受け取る年金額は、男性の場合より少ない。{専業主婦であったり、国民年金だけだったり

するから)そうして生活貧困者になりやすい。


戦後の日本の復興を汗水ながして支えてきた高齢者たちを、「孤独死」させていいものか。

老朽化した公団住宅や家賃の安いアパートで、『いつも一人で赤トンボ』のような

孤独でさびしい死に方をさせていいものか。

民主党政権が「コンクリートから人へ」のスローガンをかかげて、国民にあたたかい

政策を推し進めると公約している。

孤独な独居生活に陥っても、誰を恨むこともなく、自分の定めだと観念して

黙々と人生の終末を生きようとしている、日本のおじいちゃんやおばあちゃんたちを

見捨ててはならないだろう。

民主党は「こども手当」をはじめとする子育て支援策をつぎつぎを打ち出しているが、

日本が先進国であるならば、「孤独死」を無視しては先進国の名にもとるのではないか。