2009-12-06 土門拳の『風貌』(6) 驚異の美術館 ぴっかぴかの光頭。 うるんだような眼、色の濃そうな唇。どこか先頃故人となった忌野清志郎さんの 面影に似ているような青白い肌。 作曲家 山田耕筰である。 撮影は昭和17年、つまり戦前で、山田さんが56歳のときである。 それ以来土門拳さんは山田さんに会っていないと、書いている。 そして短い文章のはじめから終いまで、この光る頭のことだけである。 はては自分の頭も薄くなって心配だということと育毛剤のこと。 おそらく土門拳さんは、山田耕筰について書くことがなかったのだと思う。 ちなみに、山田耕筰さんはわくわく亭の大学の大先輩にあたる。 ただし中退して、その後東京音楽学校へ行くのだが。 その縁もあってか、大学の校歌は山田耕筰作曲で、作詞が北原白秋である。