土門拳の『風貌』(6)

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ぴっかぴかの光頭。

うるんだような眼、色の濃そうな唇。どこか先頃故人となった忌野清志郎さんの

面影に似ているような青白い肌。

作曲家 山田耕筰である。

撮影は昭和17年、つまり戦前で、山田さんが56歳のときである。

それ以来土門拳さんは山田さんに会っていないと、書いている。

そして短い文章のはじめから終いまで、この光る頭のことだけである。

はては自分の頭も薄くなって心配だということと育毛剤のこと。

おそらく土門拳さんは、山田耕筰について書くことがなかったのだと思う。

ちなみに、山田耕筰さんはわくわく亭の大学の大先輩にあたる。

ただし中退して、その後東京音楽学校へ行くのだが。

その縁もあってか、大学の校歌は山田耕筰作曲で、作詞が北原白秋である。