城島捕手が語るイチロー

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イチローについてはたくさんの人が多くを語っているし、彼について書かれたベストセラー本も

多い。

みんながイチローについて語りたくなる。語らずにおれなくなる存在がイチローなのだ。

昨夜のNHK「スポーツ大陸」ではイチロー特集だったが、そこではイチローが自分の心が

折れそうになる、プレッシャーに押しつぶされそうで吐きそうになる、チーム内で孤立して

孤独の深間に苦しむ、といった彼の「弱さ」の部分、それを自覚して乗り越えるための精神的

努力に光を当てた番組で、とても見応えがありました。

今朝の朝日新聞は多くのスペースをイチローの歴史的快挙に割いています。

その中に、マリナーズのチームメートである城島選手の談話があって、興味深かった。

年間200安打を打ち続ける重圧は、年々苦しくなっているはずなのに、そう見せないのが

イチさんの美学。「感情を表に出すと損しかしない」と、イチさんはいっている。

自分をコントロール出来る範囲で野球をやるから、悲しみも喜びも出ない。精神的に

マイナスなこともやらない。だから三振しても凡退しても、堂々と胸を張ってベンチに帰ってくる。

イチローは常々自分を客観的に見る様子について語っている。

その冷静な客観的自己認識は卓越している。

まるで第2のイチローという存在が、プレーする第1のイチローを観察しているかのようだ。

ときには周りから、「自分本位な、感情のない、つめたい奴」という誤解をうけるほど、

「打つ」ことにマイナスにはたらく要素は排除していく。

それがなくて、9年連続して200安打を打つという前人未踏の偉業は成し遂げられない。

城島は続ける。

イチさんは打った後、「捕れ!」と意識している。打った後の出来事は、

自分で制御できないというのが理由。アウトになると思った打球が、野手の間を抜けると、

精神的にプラスになるんですって。

その考え方は理解できるけど、真剣勝負の場で、そう思える選手はいないですよ。

イチローがホームランを打ってベンチに戻ってくると、城島選手に

「オレの背中うれしそうだった?」と訊くそうだ。

うれしそうだった、と答えると、

「オレもまだまだだな」と苦笑いするという。

うれしそうな感情が背中ににじみ出るのは、イチローにとって未熟なことなのだそうだ。

そこまで追求して野球をしている。「孤高」と評される所以だろう。

イチローを誰よりも客観的に見ているのは「鈴木一郎」(イチローの本名)だと

城島選手は上手い表現をする。

そのうち自分のことを、「彼」なんて言い出しそうな雰囲気がある。

プレーだけでなく、精神面とか体調面とか、自分のことを冷静に分析できるところが、

イチさんの最大の強みだと思う。

イチローメジャーリーグの安打記録を次々と塗り替えて、大リーグの歴史を書き換えて

いる。そして、すでにイチローは大リーグの歴史的プレーヤーになりつつある。

大リーグの伝説的な存在になりつつある。