「おれはベルルスコーニだぜ」
イタリア首相の女性スキャンダルが、欧州のマスコミを賑わせている。
日本のマスコミは、ベルルスコーニ氏の最新のスキャンダルのお相手が、高級コールガール
で、どこからか流出した録音テープの一部に「プーチンのベッドで待っていろ」と言った
という程度しか報じてくれない。
今週の「NEWSWEEK日本版」が、ローマから詳細に伝えてくれて、わくわく亭の心の
野次馬を満足させてくれた。
○
1936年生まれの72歳。父親は銀行員だったという普通の中流階級の出である。
角栄さんもそうだったが、たたきあげの実業家で、建設業で成功する。
年齢40代で建設・流通・メディアにわたる企業グループ「フィニンベスト」を築き上げたというから
ただ者ではない。
のオーナーとしても有名だ。
角栄さんと同様に政治的野心が大きく、上り詰めて首相となる。
女性スキャンダルでは、地味に二号さんを囲うと言った角栄さんと異なって、
欲望の赴くままというタイプ。
奔放なのは女性に対してばかりではなく、政治、外交でも奔放すぎて、放言・失言が
山のようにある。
ごく最近の失言では、
ハンサムで、そして日焼けしている」と述べ、野党議員たちから「良くても配慮に欠ける発言、
悪ければ人種差別だ」と批判された』とか、
『2009年1月には、イタリアで多発するレイプ事件に関して、対策を議会から求められたとき
「イタリアには可愛らしい女の子がたくさんいるから、レイプをなくすことは無理だ」と発言し、
その批判に対しては「イタリア女性をほめただけだ」と弁明』
どんなスキャンダルにも寛大なイタリア国民の絶大な支持を背景に、易々と乗り切ってきた。
(われわれからすると、鼻持ちならないほどの)自信過剰な態度を愛するかららしいのだ。
(ここに哀れなわれらが総理大臣アソー・タローさんの「漢字が読めない」「KY・空気がよめない」
程度のせこい失言騒ぎをもちだして比較するのも、せこすぎるからやめときます。)
さて、いよいよ今回のスキャンダルについてであります。
○
高級コールーガール、パトリツィア・ダダーリオさんがお相手である。
彼女は40過ぎのベテランで、超肉食系です。(ちょっと、わくわく亭の好みではありません)
彼女はベッドでおねだりをしていた。彼女が計画していた低価格の小規模ホテルの
建設許可が下りるようにして欲しいとベルルスコーニ氏に頼んでいた。
OK,わかったよ、と安請け合いしていたのが、許可にならなかった。
怒った彼女に、「そのかわりに、おまえを欧州議会の議員にするからさ」と機嫌をとろうとしたが、
そこが凄腕のイタリアのコールガール。
そんなこともあろうかと、4時間にも及ぶベッドでのムツゴトを録音していたというから怖いよ。
そのテープを反ベルルスコーニ系のマスコミに流したという次第。
4時間テープには大衆が喜ぶネタがいっぱい。
その一つが「プーチンのベッド」です。
ベルルスコーニ氏の邸か別邸には寝室がたくさんあるから、どの部屋のベッドにするか
きめなくてはならない。(そこら辺が、日本の政治家の住宅事情と違うところ)
首相はシャワーを浴びながら、「プーチンのベッドで待ってておくれ」と言った。
当時ロシア大統領のプーチンさんと仲良しで、彼からプレゼントされたキルトを飾った
寝室があって、その寝室を「プーチンのベッド」と呼んでいたのだそうです。
そのベッドでは、ダダーリオ嬢(40代でもコールガールは『嬢』と呼ばれるキマリ)によると、
「ベルちゃんは、雄牛だから、一晩中眠らないわよ」ですって。
ひえ~、72歳で、なんたる精力家!
われわれの首相は「雄牛」なのでしょうか。それとも、草食系のおじいさん牛で、朝まで
よく眠るのでしょうか。
ダダーリオ嬢が困るのは、ベルルスコーニ氏がコンドームを使いたがらないことだったそうです。
「そんなの、勘弁してよ」と彼女が言うと、
「おいおい、頼むぜ。お相手は、ベルルスコーニだぜ」と宣うのだそうです。
さすが、無敵のベルルスコーニ。
このテープがマスコミで報道され、首相は弁明することになる。
(わが国では「説明責任」を果たすとかいうよね)
そこで、
「ご存じのとおり、わたくしは聖人ではない」
アソー首相は「未曾有」を「みぞうゆ」と読んだばかりに、支持率が15%くらいにまで下がった。
ベルルスコーニ首相の支持率も大幅に低下しないはずがない。
最新の支持率は50%を下回ったのだそうですぞ。
アソーさんもイタリアの首相になりたいことでしょう。
ところで、ダダーリオ嬢はイタリアの「高級コールガール」の肩書きをもっている。
「高級」とは、いかほどの料金をいうのであろうか。
わくわく亭としては、一応資料として知っておきたい。
一晩1000ユーロだそうです。
今日の円対ユーロのレートは137円くらい。すると、一晩13~14万円というところですな。
では、ベルルスコーニ氏はその1000ユーロを彼女に払っていたか。
マスコミの質問に対して、こう答えている。
「ダダーリオは知人です。しかし、金を払ってセックスをしたことはない。
それでは、征服する喜びがないじゃないか。
おれは、ベルルスコーニだぜ」
嗚呼!