いや~な感じ

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針すなおさんの一コマ社会風刺漫画を、「おねがい、笑ってよ」コーナーにUPしたからには、

アソーさんをネタにした笑い話を書くつもりでいました。

ところが,笑ってばかりでいられない麻生首相にまつわる新聞記事を、大阪行きの新幹線内で読んで、

「いや~な感じ」を持ったので、笑えなくなってしまいました。

それは、最近発売された『差別と日本人』(角川書店)という本の内容紹介記事でした。

本は元自民党官房長官だった野中広務さんと人材育成コンサルタント辛淑玉さんの対談集です。

そのなかで、野中さんはみずからが被差別部落出身者であることを語ったうえで、

麻生首相が野中さんについて差別的な暴言を吐いたことを述べているということです。


2001年3月、麻生さんの派閥の会合で、つぎの自民党総裁候補に野中広務さんの名前が

あがっていることが話題になったときのこと、

「野中やらAやBは部落の人間だ。だからあんなのが総理になってどうするんだい。

ワッハッハッハ」と麻生さんが言ったという。

そのことで野中さんは自民党総務会で麻生さんを面罵したという。

麻生さんは、

「そのような発言をしたことは全くありません」と否定している。

記事を書いた朝日新聞編集委員の坪井ゆづるさんは、派閥の会合に居合わせて10人の

議員に取材したところ、2人が「差別発言はあった」と認めたそうだ。

一人は、

「野中さんや別の衆院議員の名前もあげて、

『表に出てはいけない連中が表に出て、大きな顔をしている』

 と明らかな差別発言だった。野中さんが憤っていることが話題となり、

『野中さんにわびを入れた方がいいのではないか』という議員もいた」と話した。

あとの一人は、

「雑談のなかで麻生さんは大声で話したんだ。その場のみんなが聞いたはずだ」と。


どうやら麻生さんの差別発言は事実だったようです。

派閥の会合で、自分の仲間達との気楽な雑談のなかで、

吉田茂の血統を受け継ぐ、自分のような由緒正しいものこそが総裁に選ばれるべきだ、と

あの軽薄なエリート意識が、ワッハッハッハといううぬぼれ笑いととともに、

『あんなのが総理になってどうするんだ』という暴言となったのだろう。

麻生さんの軽薄な失言は、われわれも慣れっこになってきたキライがあるのですが、

麻生さんという人の内面には、弱者や被差別者といった人たちの心のキズや痛みに

反応しない、どうしようもない鈍さがべったりと、コレステロールの層のように

形成されているのだろう。

はやく消えてもらいたいお人であります。