山岸凉子

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山岸凉子さんの『牧神の午後』と『日出処の天子』について初めてその作品名を

知ったのはCHARLIEさんのブログでだった。

CHARLIEさんをてっきり男子高校生だと思いこんで、その早熟で才能を感じさせるブログに

コメントをしていたのだが、実は女子高生だったという話は、丸尾末広の『パノラマ島奇譚』の

記事でも書いた。

わくわく亭はCHARLIEさんが面白いと太鼓判を押したマンガを読んでいるのだが、

彼女の選択したもので、期待はずれに終わった作品はまだない。

山岸作品では『鬼』とか『黒鳥』も面白かったが、この伝説の天才バレエダンサー

ニジンスキーの短い生涯を描いた『牧神の午後』も期待通りの作品だった。

今週八重洲古書館で手に入れた本は2008年3月初版の本だった。ということは、

手塚治虫マンガ大賞を受賞した長編のバレエ漫画『テレプシコーラ』ほどの

人気評判にはなっていないのだと思われる。

ニジンスキーについては、学生のころ翻訳本で伝記を読んだことがあって、中に挿入されていた

舞台のニジンスキーの写真につよく惹かれた記憶がある。

そして、伝記作家たちがだれもが書くことは「ニジンスキーは跳躍すると、上昇し続けて

降りてこなかった」という目撃談である。

天才と狂気のダンサー。

彼のバイセクシャルの性行動と両性を具有したかのような神懸かりのダンス。

いまもって、ニジンスキーの陶酔的な独創的な振り付けは、伝説的である。

山岸さんは、ニジンスキーが身にまとっていたバイセクシャルな妖艶さと妖気を

日本の聖徳太子にもまとわせたのが『日出処の天子』だった。

白泉社文庫で1~7巻として出ている。

これも読者の期待に背かない出来映えのマンガである。


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