「つげ義春旅日記」(8)

新潮文庫『新版 貧困旅行記』をめくっていると、たくさんの作者が撮影した旅行先の写真が

面白いのだが、『つげ義春旅日記』に収められた挿絵やイラストの元となった写真が見つかったので

並べてみることにする。

はじめのは、『旅日記』の挿絵で、どことも場所について説明のない田舎のバス停風景。

右の墓場に特徴がある。

下の写真は昭和45年5月福島県会津木賊温泉(とくさおんせん)で撮影したもの。

墓場と前方の家屋の屋根と電信柱から、おなじ風景とわかる。

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つぎの挿絵は『旅日記』の中の「桃源行」の一枚で、福島県の西山温泉である。

下の写真は『貧困旅行記』に収められた写真で、昭和46年5月に撮った「福島県柳津西山温泉付近」

である。

少女のかぶったお面が違うだけである。

どちらも、なつかしい風景というよりも、こころ侘びしい風景で、夢で迷い子になったときにでも

みるような、不安な空気がある。

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