『尾道物語・幻想篇』発売について

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わくわく亭が親しくしています尾道出身の作家森岡久元の新刊書『尾道物語・幻想篇』が

10月10日発売になります。

先日のコンテストで1番人気となった絵と、フォントの組み合わせが採用になりました。

帯のキャッチコピーで、内容をごらんください。

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出版社は澪標(みおつくし):大阪市中央区船越町1-6-2
              TEL,FAX 06-6944-0869

ISBN978-4-86078-130-9

四六判・上製本・281ページ

定価:1600円+税


収録5篇のうち、「奥の池のギンヤンマ」と「横綱が飛んだ、あの九月」(旧題は「栃錦が飛んだ、

あの九月」でした)についてはブログの「文学仲間」でチラリとお披露目させましたが、

あらためて、「あとがき」から5篇の紹介をいたします。

                ☆     ☆     ☆

それぞれに味の異なる五つの尾道物語を、この『幻想篇』に収めたわけを記しておきます。


「奥の池のギンヤンマ」は『幻想篇』に収めるに一番ふさわしい作品で、

少年でしか見ることのできない美しい存在と悪夢を描いたものです。

少年は空想と現実のはざまで生きていますから、つねに「幻想」の主人公になれます。


「横綱が飛んだ、あの九月」は高齢となった人物が、少年期に失った大切なものを、

回復しようとして時間をさかのぼる心の旅の話であり、これも「幻想」にきわめて近い。


「まもるのアーチ」は性に目覚める頃の少年たちが見る「幻想」を、

暗い路地の奥にみつめた物語です。


「先生の悔やみ状」は、いまは高齢となった恩師と、亡くなった母親との間にひそかに通っていた

かも知れない「恋しい」感情を幻想する話です。


「片隅の季節」は十代の終わりに、はじめて見聞する人生のふしぎな諸相を、

どう受けとって生きてゆくか、空想から現実へと渡っていく、昭和30年代の青春の日々を

描いたものです。


はるかかなたを、遠いまなざしで眺めるころになると、もはや、どんな物語も『幻想篇』に

収めて、おかしくないような気がしてまいります。