発電ジョカ「理想の女」
「発電ジョカ」の第14回公演『理想の女』を観てきました。
会場は池袋の小劇場「シアターグリーン」です。
この劇場は1963年の創設以来、若手劇団の登竜門としての役割を果たして、
多くの劇団・劇作家・演出家・俳優などを輩出してきた劇場であるから、
ここでの公演は「発電ジョカ」が 年々実力をつけ、評価を高めている証しとも言える。
はたして『理想の女』はわくわく亭の期待に応えてくれた熱い舞台で、大いに満足しました。
イワシナ氏は若い頃は劇団活動も経験し、舞台照明、演出を手がけ、とくに高校演劇の発展には多大な
貢献をした人です。
「シアターグリーン」前で開場を待つ演劇ファンをバックに撮った両氏の写真。
右がタキザワ氏、左がイワシナ氏です。
さて、芝居の内容ですが、オムニバスの3本立ての構成となっており、
1話 「歩く女」
2話 「働く女」
3話 「病の女」
2話 「働く女」
3話 「病の女」
「歩く女」は舞台に現れた5人の女優たちが、ひたすらWALKINGするのです。
歩きながら主演の笠久美が、生きにくい現代の人間関係を、どうやって他人と共生するか、
現実的に見えながら、ややトンチンカンな方法を考案しつつ歩くうちに、
2人、3人と、彼女の共鳴者が増えて、WALKINGがグループとなって進む。
そのあたりの「理想の生き方」なるもののナンセンスぶりが、笑えるのです。
「働く女」は大城誉が主演で、キャリアウーマンでありながら結婚願望のある36歳の女を演じる。
男と別れて失意のうちに買ってきた絵本から、2人の妖精が抜け出てきて、結婚願望をかなえてくれる
という、「発電ジョカ」らしい爆笑ドタバタ喜劇。
その妖精が名前だけは、あやしげなロシアか東欧の名前をもつのだが、山梨か山形だかしれない
ナマリのきつい言葉をしゃべる頼りない、居候のような2人。
結婚できる女に仕上げるために、妖精が特訓させるあたりが爆笑の連続。
オチは別れた男とヨリがもどって結婚、長期滞在していた山出しの妖精はやっと国に帰れるというもの。
「病の女」は一番のドタバタ劇。入院中の後期高齢(?)の病人女たちが、七夕の夜に、願いを書いた
短冊を竹笹に結んで屋上に運び上げて、それぞれが願を懸けるというストーリーはそれだけながら、
エネルギッシュな「死にかけた」病人達のアクションが爆笑の連続になる。
いかにも「発電ジョカ」の舞台らしい第3話であり、
ラストに、全出演5人の女優達によるダンスが、毎度ながら面白く決まる。
いや~、楽しかった。
わくわく亭がひいきにしている女優大城誉さんが、舞台が終わってすぐに、まだ化粧もしなおす
時間もないあわただしさのなか、すっとんで来てくれて、こころよくツーショットに応じてくれました。
写真右がわくわく亭です。(ことわらなくても、ワカリマス?)
さて、わくわく亭たち3人は、まだ日暮れには間がある池袋の飲屋街へと
消えていくのでありました。