「烏森の幽霊」

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雑誌『姫路文学』120号に「烏森の幽霊」という小説を書いています。

「幽霊」などとは純文学らしくない、通俗小説かエンターテインメント系に聞こえる題です。

こんな題にしてみたのは、実は村上春樹さんの小説「レキシントンの幽霊」の題のつけかたに倣ってみた

ものです。

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わくわく亭がまだ若い頃、東京の新橋駅からちかい烏森で実際に体験したことをもとに書いた短編です。

そのころ烏森には、売春婦たちが客を引き込むための旅館が軒をつらねた場所がありました。

ある晩酒に酔って、終電がなくなってしまい、そうした特殊な旅館とも知らずに、泊めてほしいと入って

いくと、「男一人ではお断りだよ」と断られたのを、「もう遠くまで帰ることができないから、なんとか

たのみます」と、頼み込むというか、強引に泊まったことがあって、その部屋で首をくくって死んだ女の

幽霊に出遭ったのです。

そこからは、フィクションですが、物語の主人公は、その女の幽霊に再会するべく、たびたびその旅館に

泊まりに行くという話です。

最初に幽霊に出くわす場面を一部、ここに転載してみます。

どうだろう。あなたなら信じるだろうか。



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