ガンダーラから出土した仏頭です。
なんという気品に満ちたお顔でしょうか。
漆喰の塑像だけに壊れやすいもので、頭部だけがこうして日本に伝わっています。
左の耳たぶが半分欠落していますが、お顔の気高さを損なうものではありません。
頭頂にある肉けい(覚者の証しである頭部のもりあがり)は出土品にあとからつけられたために、
頭の大きさとのバランスが悪いといわれていますが、その瑕疵も気になりません。
それほどすぐれた気品があります。
まぶたは半眼にひらかれて、深い瞑想の中におわすごようす。
ガンラーダ仏の中でも白眉といわれている仏頭です。
制作年代は4~5世紀と推定されています。