グリーンホテル尾道の便箋

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 「わくわく亭」コーナーに、改装なった啓文社のHPから「尾道関連本」を記事にしたばかり。

 そこへ、郵便が出版社から届いた。


 中に尾道のJR駅前にあるホテルの封筒が一通あった。ホテルで投函され、出版社から僕に転送されて

 きたものだ。


 封筒はグリーンホテル尾道のもので、部屋に備えつけのもの。手紙もまたホテルのレターペーパー

 を使って書かれてある。

 封筒の裏には東京の住所が書いてある。未知の人からの手紙。


 《前略

   父親の墓参りのかたわら、駅横の書店にて『尾道物語・純情篇』を手にし、ホテルで読みました。

  なにか、いいですねェー。とても。

   私は東京で生まれ育った人間ですので、子供の頃、夏休みは尾道で過ごした日々を思い

  出しました。

   先生(これは、わくわく亭のこと)より19歳下で、時代は異なりますが、忘れていた

  昭和の香りが感じられ、たのしく読ませていただきました。ありがとう御座居ます……(後略)》


  
 手紙の半分は尾道のご親族のことが書いてあって、略した。


  なんと、うれしいことだろう。

  このような未知の人が、僕の本を尾道の書店で買ってくれて、それをホテルで読み、

 すぐに感想を書く気になられ、部屋にあるホテルの便箋を使って、書き送ってくださった。

  本を出版するよろこびの1つは、こんな手紙をいただいたときに感じる、未知の人と共有できた

 時間の記憶。


 「なにか、いいですねェー。とても」といただいた言葉を僕もお返ししたい。


 写真は余分に一葉添えられた、ホテルのレターペーパーです。