かどの煙草屋さん

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 中元紀子さんの作品である写真ハガキ。

 尾道に残る街角の煙草屋さん。いまでは、こんな煙草屋さんの店なんか、めったに見ることはできなくなったね。

 写真撮影の日には、煙草屋は閉店中だったのかな。



 煙草だけをあきなって、それでどうにか生活ができた時代が、つい最近まであったのだ。


 専売公社が民営企業になり、煙草の販売は自販機でどこでもだれでも販売できるように、制度改革された。そのために、街角の煙草屋さんは、すっかり姿をけした。


 煙草屋の看板娘もいなければ、煙草とハガキと切手と歯磨き粉だけを売っていたお婆さんも、いなくなった。

 欧米社会と比較して生産者から消費者までの長い流通部門の近代化が遅れていたといわれて、“近代化”したために、街角の煙草屋はやっていけなくなって、こんな写真のなかに収まってしまった。

 “むこう横町の煙草屋の かわいい看板娘…”そんな流行歌だって、みんな忘れてしまっただろうな。


 効率と合理化と競争と、われわれの近代化された社会制度は、われわれをしあわせにしてくれているのだろうか?