2008-01-13から1日間の記事一覧

歌人(3)

ふたたび、西橋さんの、女性歌人らしい、女性の状景の歌を読んでみよう。 火星人が脱皮するならこんなものか夜ふかぶかとパンストを脱ぐ 爪先でサンダル揺らしてポンパドゥール夫人を気取るひとときもある それで誰を愛してゐたのと遠き日のわれに問はれつ木…

歌人(2)

西橋美保さんの歌を、もうすこし読んでみます。 「第一子誕生。お宮参りの春の日から私は歌をはじめた」と詞書きして、 うまき乳の溢れ流るるわれなれば化粧もせぬに花の香のする 眠る子のお指を取りて爪切れば砂場の砂がさらりと落ちる お幸せねと人に言は…