暴走する忖度

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今朝の朝日新聞「耕論」。

「暴走する忖度」の題で3人の意見を掲載。

その中でドイツ人の大学教授フォッセ氏の意見に注目する。

ドイツ語に「忖度」に似たような言葉に「フォラウスアイレンダー・ゲホルザム」があり

直訳すると「先回りした服従」という意味だという。

なぜ、ホロコーストのような大量虐殺が起きたかを説明する際によく使われる言葉だそうだ。

「日本とドイツは似ています。まじめで時間を守り、先回りして自主的に服従します」

「法律や社会ルールを守り、税金を納める。家庭では、よい息子、よい娘で、ほめられたい。

周囲に波風を立てないよい隣人で、異議を唱えようとしない態度が、結果として非人道的な

悲劇を生む土壌となったのです」


ドイツ生まれのユダヤ人政治哲学者ハンナ・アーレントアイヒマン裁判を傍聴して、

なぜこんな平凡でまじめな、家庭ではよき夫であり、よき父親である男がゲシュタボで

ユダヤ人大量虐殺の指揮をとっていたのか精神構造の分析をする。

それが、「先回りした服従」をした政治権力の良き忠僕としてのドイツ人だった。


フォッセ教授は1968年の若者の反乱を契機にドイツ人は変わったが、日本人は

変わっていないという。政治家も官僚達も大企業の役員たちも服従するために、せっせと

先回りしている、というのである。