消夏法

イメージ 1


「週間新潮」で福田和也氏が文学の中の納涼風景を紹介している。

谷崎潤一郎細雪』では「家じゅうで一番涼しい部屋」で三人の姉妹たちが「ごろごろしていた」。

永井荷風の『断腸亭日乘』では昼間は自宅で読書や執筆をし、夜になると街に出て涼をとる夕涼み、

夜涼みが夏の娯楽の一つだった。

漱石の『こころ』では鎌倉の海水浴。

幸田文『きもの』では夏は浴衣。

川端康成の『千羽鶴』では蛍籠。

久保田万太郎の俳句から「一人猪口をふくみて夏の夕かな」など。

そして、貧乏に窮していた林芙美子は納涼どころではなかった。

その『放浪記』では――

イメージ 2