中村勘三郎さんのガンのこと

イメージ 1



「文藝春秋」2月特大号の新聞広告を見たから、すぐに買ってきた。

読みたいと思ったのは、わずか7ページの「中村勘三郎さん がん治療への疑問」という

慶應大学医学部講師の近藤誠さんが寄せた記事だった。

近藤誠さんといえば「患者よ、がんと闘うな」「がん治療総決算」や最近の「がん放置療法のすすめ」

などの著書で、抗がん剤が効果が無く、むしろ患者の生命を縮める毒薬であること、日本の

がん治療は外科手術がいまだに圧倒的主流であるが、転移性のがんは手術で治療は不可能であり、

むしろ患者の生命を縮めるだけだと、主張し続けてきた、医者なのだ。


わくわく亭は勘三郎さんが食道がんであることを告白して、手術をうけると報じられたときに、

手術は危険だから、放射線治療を選択するよう説得するものが、まわりにいないのだろうか、

手術と抗がん剤治療をすれば、あと半年の命だと、誰か勘三郎さんをがん研から車でひきとって

くる者はいないのか、と痛切に思った。

結果は、食道がん手術は成功したが、肺炎からARDSを併発して、4ヶ月で急死したと報じら

れている。

一代の名優を失ってしまった。

わくわく亭は、勘三郎さんの手術はするべきではなかった、と思ったから、近藤誠さんの

見解をぜひ知りたいと思っていた。

それが上記の「文藝春秋」の記事になったと知って、すぐに読んだ理由である。


死因となった肺炎からARDS併発の原因は、あきらかに抗がん剤によるものだと、近藤さんは

言う。外科手術と抗がん剤治療をしなければ、かりに転移性のがんだったとしても、舞台に立って、

息子たちの襲名披露も歌舞伎座の落成記念公演にも名優ぶりを発揮できたばかりか、さらに何年も

元気な舞台を見せてくれたはずだと言う。

転移性ではない固形タイプのがんであれば、治療をする必要もない。がんは年々大きくはなっても

命にかかわることはない。

昨日、テレビの「徹子の部屋」に食道がんを手術しないで陽子線治療を選択したなかにし礼さんが

元気な姿をみせていた。手術をするべきだとセカンドオピニオンをもとめた「名医」4人が

4人とも同意見だったそうだが、なかにしさんは手術をしなかった。

勘三郎さんがなかにし礼さんと親交があったとしたら、がん治療後4ヶ月で死ぬようなことは

なかったろう、とわくわく亭は残念でならない。