2012年資本主義大清算の年になる

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わくわく亭が読んだ今年最後の本がこれ。

長いタイトルです。「2012年資本主義大清算の年になる」

舌鋒鋭く混迷する世界経済から、ていたらくの日本の政治にまで切りこんで、

人気が高くなったエコノミストの浜矩子と高橋乗宣共著の経済書


どうやら来年の世界経済は最悪らしい。

ユーロ経済圏は政治統合がなされなければ、まちがいなく崩壊するらしい。

アメリカの衰退は、日本の「失われた10年」(その後は20年に訂正される現状)と

同じ道筋をたどりつつあるから、来年は回復どころではない。もしも大統領選で

共和党候補が勝利すると、その財政緊縮政策からデフレになって、ずるずると「失われた

10年」の負のスパイラルに入る。


日本は円高が進行して1ドル50円台もありうると。


わくわく亭がこたつで、テレビの経済ニュース番組みながら、来年の経済が最悪らしいと話すから、

女房が「どうすれば、いいの」と訊く。

「戦後やってきた輸出立国の政策はもう通用しない。トヨタもホンダも輸出は赤字だというから。

貿易収支は赤字の国になる覚悟をしなきゃなるまい」

1ドルが100円とか120円になれば貿易収支は黒字化する。

だがアメリカが歴史的な金融緩和策を実行しているから、世界中にドルの洪水、大津波

起きているかぎり、円安には戻れない。

リーマンショックの後で、世界にダブついているドル、ヘッジファンドと呼ばれる

金融投機資本が運用している総額は、日本円で4,600兆円だそうだ。

このバケモノのような投機資金が獲物をねらって、石油へ、穀物へ、ユーロへ、中国バブルへ、

日本円へと移動している。

日本が5兆円などの為替介入をしても、なんら効果はない。

なにしろ敵は4,600兆円という怪物なのだから。

いま怪物はユーロ圏の中の足弱のギリシャポルトガルを食い物にしたが、つぎはイタリヤを

ねらっている。来年は食われることになりそうだ。

ヘッジファンドに資金を預けているのは、アメリカ国民の1%という超富豪たち、石油産油国

富豪たち、その他世界の金持ちと機関投資家たち。

カネには国民国家という国境がない。どこからでも金儲けになる獲物をみつけたなら

襲いかかる。

これが野放しの金融グローバリズムというものなのだ。

「だから、うちはどうすればいいの」と女房が訊いている。

「自衛するしかないよ」

「節約するってことよね」

「まあ、そうだ」

年金生活者であるわくわく亭にとって、ヘッジファンドなんか怖くもない。

だが、日本政府の世界一巨額の国債残高に対してヘッジファンドが攻撃を始めたら、

金利が上昇して、さらに赤字国債発行という悪魔のスパイラルにはまる。

日本政府が財政破綻したら、最初に公務員給与と年金の支払い停止が起きる。

そうなったら一大事が。

「そうなったら、どうするの」

「う~ん。それまで生きていないだろう」

「……」