「酩酊船」のふるさと龍野へ行く
7月17日
有名なソーメン「揖保の糸」でなじみの深い揖保川のほとりである。
山紫水明というが、低い山々に囲まれて、揖保川のほとりに栄えた
小さな城下町、というのが龍野の印象である。
松竹の映画監督だった故前田陽一さんは、自分の故郷である龍野を
「幕の内弁当のような街」と評したと聞く。
午後2時から「酩酊船」25集の合評会、つづいて5時半から食事の会に。
参加者はわくわく亭、竹内さん、前之園さん、奈良さん(香川県高松より)、高見さん、
橋本さん、吉田さん、藤井さんである。
わくわく亭と竹内さん、前之園さんの3人は志んぐ荘に泊まる。
翌朝、藤井さんがやってきて、昨晩酔って帰り靴を履き違えていたという。
竹内さんの靴と間違えて履いて帰ったのだ。
これから葬式に行くところだと、暑い中、喪服を着て、靴を交換するためにきた。
サイズがほとんど同じだったようだ。
さすが酩酊船の会である。
朝食後、竹内さんの運転で龍野の観光に向かう。
矢野勘治の資料展示館である。
写真は露風手書きの「赤とんぼ」の詩と露風の家族。
つぎに龍野城と聚遠亭へ。
ボランティアの説明員によると、元の規模の3分の1位のサイズだということ。
たしかに5万石で江戸幕府老中をつとめた脇坂氏の城としては小さく感じられる。
お昼は「赤とんぼ荘」の下にある和風レストランで、もちろんのこと揖保の糸ソーメン
のランチを食べる。あたたかい「にゅうめん」である。
食後、中村さんが自慢している書庫を見学に行く。
数万冊の蔵書であり、個人全集を中心に集めているとか。
中村夫人から楽しい話を聞いて、冷たいお茶をふるまわれる。
竹内さんの車で「本たつの」駅へ送ってもらう。
駅前に立つ、赤とんぼの像を写真にとる。
ここで竹内さんとはお別れである。
「次回も合評会は龍野でしましょう」と言ったのは、わくわく亭はここが気に入ったから。
2両連結の電車で姫路へ。
姫路駅で前之園さんと別れて、約束してあった「姫路文学」の立川さんに会う。
5時まえの「のぞみ」で東京へ。
練馬へ帰ってみると、夜の9時だというのに、とんでもない暑さ。
龍野も山に囲まれた盆地の町で、暑かったのはたしかであるが、
とうてい比較にならない暑さである。
大泉学園駅前で食事をして家に帰る。
家の中の暑いこと。
「練馬は37度あった」と聞いて、
ことしも練馬は日本一を競う熱帯都市になりそうだと思う。
山紫水明の龍野が、なんと涼しく思い出されることか。