被災地への医療チーム派遣

ハイチに続くチリの巨大地震災害である。

さいわいにも日本への津波の被害は軽少ですんだ。

今朝、鳩山首相が「外務省がチリへの医療チーム派遣を決めた」と述べていた。

スピードをもって、ぜひとも被災地が緊急に必要とする医療チームを派遣してほしいものだ。



こうした緊急派遣医療チームの活動内容について、先日見たテレビで、日本チームの問題点が

指摘されていた。

ハイチの地震災害では、アメリカ、フランス、中国、イスラエルなどの医療チームのめざましい

救援活動が報じられて、いつものように、日本は各国に遅れをとっていた。


テレビ番組というのは、朝日ニュースターの「愛川欣也パックインジャーナル」である。

ゲストのコメンテーターとしてハイチの現地視察から帰国したばかりの民主党代議士

首藤信彦(すとう・のぶひこ)氏が出演して、日本チームの問題点を指摘していた。

首藤氏は国際NGOとしても活動していて、ハイチの事情にもくわしい人である。


日本のチームは、現地での治安や安全が確認できなければ派遣されないから、どうしても

他国に遅れをとるのは、あるていどやむを得ない、としつつも、

各国の医療チームは緊急手術が行える必要な医療器材とともに派遣されているから、

重症患者の手術もやれる。

ところが、日本チームはそれが十分にできない事情がある。

手足の切断などの手術をするためには、麻酔が必要になるが、日本チームにはそれがないために

診断だけをして、そうした負傷者を帰しているというのである。

なぜか。

日本の法律では、医療用の麻酔も麻薬であるから、海外への持ち出しが禁止されているので、

こうした緊急援助目的であっても、持ち出し許可をとるのに時間がかかって、間に合わないと

いうのである。

おそまつな話ではないか。

どうして、緊急事態にそなえた法的整備を日頃からしておかないのか。

どうも、日本は遅れるらしい。

また、日本チームのもとへ24時間かけて骨盤に怪我を負った妊婦が運び込まれた。

しかし、日本チームは震災の負傷者手当てしかできない。妊産婦を診る医師がいない。

それでキズの手当てだけして帰したという。

他国のチームは妊産婦も未熟児も病人も診る準備をととのえて派遣している。

なぜなら、地震被災地では、病院も倒壊しているからである。

そのあたりも、日本の緊急医療支援チーム派遣や援助に、全面的な改善がもとめられる、

ということだ。


地震国日本である。

関東大震災では、世界中から緊急援助をうけた歴史がある。

まっさきに、そうした過去に受けた恩義のお返しをするべき国である。

どの国よりも充実した緊急医療援助ができるように法的な整備をするべきである。

地震災害があったなら、どこの国でも「かならず日本が助けに来てくれる」と信じてもらえる

ような体制をととのえて、飛んでいってほしいものだ。