ハンニバル
「ハンニバル」という名前がニュースとして伝わると、あなたは誰を連想します?
天才的な頭脳をもつ医者でありながら、凶悪な殺人犯。
う。第2ポエニ戦争では、無敵を誇ったローマの意表をつき、アルプスを越えて
攻め込んでローマ軍を大破したり、象の戦隊を編成してローマの騎馬隊を蹴散らしたりと、
しかし、ニュースで伝えられた「ハンニバル」は、そのどちらでもないのです。
では、誰だろうか?
まず、事件のあらましをCNNニュースから引用します。
カダフィ大佐の息子、使用人に暴行で逮捕。 ジュネーブ――リビアの最高指導者カダフィ大佐の息子ハンニバル・カダフィ氏(32)の弁護士は17日、同氏が訪問先のジュネーブで使用人2人を殴打した容疑でスイス警察に逮捕されたと述べた。 ジュネーブの高級ホテルでの騒ぎで、同氏の妻も拘束されたという。2人は暴行、脅迫などの罪で起訴されたが、保釈金を支払い釈放された。カダフィ氏は2晩、勾留(こうりゅう)施設で過ごしたという。 2人は妻の出産のためジュネーブに滞在していた。スイス紙によると、使用人の2人は夫妻からたびたび殴るなどの暴行を受けたと主張している。 暴行にはベルトなど用い、使用人であるチュニジア人の女性1人が入院したという。 弁護士によると、夫妻は罪を否定している。大佐の最年少の息子であるカダフィ氏は2005年、 パリのホテルで同行していた妊娠中の女性を殴打し執行猶予付きの禁固4カ月、罰金の刑を受けたこともある。
今回は夫婦で使用人のチュニジア女性をベルトで暴行した模様であるが、2005年には、
妻ではない妊娠中の女性とパリにやってきて、その女性にホテルで暴行し逮捕、起訴され有罪判決を受け
ているから、あきらかに暴力の常習犯らしい。
起こしている。
共同ニュースから。
2004年9月 カダフィ大佐息子ご乱行…パリで“ひとりF1” シャンゼリゼ通り140キロ暴走 27日付フランス紙リベラシオンによると、リビアの最高指導者カダフィ大佐の息子ハンニバル・カダフィ氏が25日未明、パリのシャンゼリゼ通りを車で猛スピードで逆走、警察に一時拘束された。 「カダフィ・ジュニア、シャンゼリゼでF1」と題した記事によると、ハンニバル氏は同日午前2時ごろ、時速約140キロのスピードで赤信号を無視、シャンゼリゼ通りを逆走した。 外交官パスポートを所持していたため間もなく釈放。拘束を阻もうとして警官1人にけがをさせた護衛2人が逮捕された。
息子かと思う。
打倒するくらいの英雄に育ってほしいと念願していたこともあっただろう。
しかし、息子は独裁者の父親の権威をカサに、手のつけようのないドラ息子になっていた。
代の遺跡があるし、息子夫婦がスイスで暴行した使用人女性の国籍はチュニジアであるが、それは
さて、スイスで逮捕され、保釈金(日本円で5200万円)を払って釈放された息子ハンニバルを、
父親のカダフィ大佐は、「バカモノめが。そんな息子に育てた覚えはないぞ」と叱りつけたろうか。
どうやら、そうではないらしい。
今日の朝日新聞には事件の続報が、まったく意外な続報が伝えられている。
カダフィ大佐 息子逮捕され石油止める。スイスに報復 ハンニバル氏が暴行容疑で逮捕されたことが両国の外交問題に発展。 謝罪を求めるリビアは24日、スイスへの石油供給を一時停止するとの声明を出した。 リビアは(すでに)大使召還やスイス人へのビザ発給停止、 リビア内のスイス企業の閉鎖や社員の拘束といった対抗措置に乗りだしていた。
スイス政府はどう後始末をつけるつもりだろうか。
石油価格暴騰のおりから、供給をストップされては困るし、頭が痛かろう。
そうかといって、「謝罪」すれば国家のメンツは丸つぶれ。
ああ、お気の毒。
それにしても、ハンニバル氏が、「もうスイスやパリはいやだ。こんどは日本へ行って、東京で
深夜六本木とかいうところでF1ごっこしてみたいよ、パパ」なんてことになったら、
福田首相、どうします。