石川直樹写真展

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東京京橋にあるINAXギャラリーで石川直樹さんの小さな写真展が開催されている。

『VERNACULAR 世界の片隅から』というタイトルがついている。
VERNACULARとは、辞書をひくと「土地ことば」「土地なまり」という意味のようだ。

石川直樹さんは、まだ31歳という若い写真家である。
芸術写真とか報道写真家とは毛色がちがい、多摩美大の芸術人類学研究所の研究員という肩書きからして、芸術的な見地から人類学に迫ろうとする研究者であるらしい。

彼は10代後半から世界を旅して、2000年には北極点から南極点までを9ヶ月かけて歩くという
プロジェクトに参加しているし、2001年にはエベレスト登頂に成功して、世界7大陸最高峰登頂の
最年少記録を更新したという冒険家でもある。

『いま生きているという冒険』という著書があるそうだが、著書名に彼の現在の真情が表現されていそうだ。

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この写真展に展示されている写真は、人間はどんな極限的な場所にまで住居として生活しているか、
を記録して、〈文明の側〉なるものに住んでいるわれわれに、静かに公開してくれる。

上の写真は水上生活者の家である。

それらは古代の住居遺跡でもなんでもない。現在今日という日にも、現実に人々が住んで、生活の
場としているものなのである。

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巨大な岩石の下や、割れ目、隙間に住居をこしらえている人たち、岩窟に扉をつけて住む人たち。

人間にとって家という空間は何なのか、立ち止まって考えさせられる写真ばかりである。