イヴ・サンローラン(2)

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この目もまばゆいばかりの原色で描かれたクロッキーは、イヴの友人であるジジ・ジャンメールのレヴュ
ー『スルタン』のために描いた舞台のイメージである。(1972年)

イヴは崇拝するジジに、こんな言葉をささげている。

マドモアゼル・ジャンメールは輝いています。彼女が舞台に立つだけで、あらゆるものが生気を帯び、

燃え上がり、輝きます。これが“ミュージックホール”の女王たちがもつ力なのです。彼女たちの姿が

現れるだけで、劇場は炎のような真っ赤な光にあふれ、幻想や夢が交錯します。

イヴはジジ・ジャンメールのために舞台装置・衣裳の仕事を精力的にしている。

その驚異の天才振りを“女王”ジジ・ジャンメールはこう証言している。

サンローランは、最初のレヴューのために600着の衣裳を作り、2回目には400着作りました。

彼は生地やディテールを全部点検し、バレエダンサーの仮縫いにまで立ち合ったのです。

彼は毎朝、必ず劇場に出ていました。

わくわく亭は日頃考えているのですが、絵でも作曲でも詩でも文学でも、名作といえるものを一つ作る

のは「才能」であるが、湧くがごとくに作品ができるものを「天才」と呼ぶのだと。

作品の量だけではない。作るスピードも「天才」を測る尺度である。

イヴ・サンローランは真に「天才」だった。

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舞台衣裳のクロッキーです。