2007-06-15から1日間の記事一覧

大田南畝という快楽(5)

―《四方赤良》天明期の南畝― 狂歌の作者たちはみんな面白い名前をつけました。狂歌ばかりか名前まで滑稽でパロディー化したのです。滑稽な狂歌名をもつことで、身分制度にしばられた現実の自分から抜け出して、笑いにみちた虚構の世界で自由を獲得しようとし…

着信音

ケータイの着信音がしている。 朝の通勤バスの中である。 おや。僕はあたりを見回す。 中年の男性が、ケータイを手で隠すようにしながら返事している。 「もしもし。いまさ、バスの中だから……」 (おかしくもなんともない) ケータイの着信音がしている。 朝…